定番商品の業績衰え インスタント麺大手が「ネット人気」商品を発売

インスタント麺・飲料・菓子類の生産及び販売を主力とする中国のインスタント麺大手康師傅(MASTER KONG)が韓国式激辛まぜそば商品を発売する。中国の消費者の多くは、既に韓国の映像作品を通じてこの商品の知識がある。また、韓国の三養火鶏麺(SANYANG)は、近年モクバン(ネット生配信で食事をすること)を通じてインスタント麺界の人気者となった。

2019年上半期のデータによると、康師傅は依然として42.9%の販売市場シェアを持ち、中国のインスタント麺業界のトップだ。にもかかわらず、同社の売上高と粗利率はいずれも減少している。康師傅は2016年下半期に転換を図り、これまで黒胡椒味を含むハイエンドのインスタント麺を積極的に発売してきた。2018年には、ハイエンドインスタント麺による収入が大幅に増加し、10%を超えるようになった。

解説:

中国ではデリバリーが発達し、健康的な食事を求める層も増えている。これらの事情がインスタント麺業界に打撃を与え、ここ5年で合計規模が10%縮小している。しかし、顧客の消費レベルが上がり、業界の同質化が進む中、メーカーが相次いでハイエンドのインスタント麺を発売したことで市場に認知されるようになった。次の段階では、業界がネット生配信や映像・娯楽分野との提携を深め、ハイエンド商品を顧客の中心層である若者に届けることが期待される。

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