ファストファッション全体は減速、ユニクロは「一人勝ち」

ユニクロ(UNIQLO)は8月末までの2019年会計年度決算報告を近日発表した。中華圏の営業収益は5000億円を超え、前年同期比の伸びは14%を超える。その額は国際市場の営業収益のほぼ半分を占め、中国はユニクロにとって日本以外の最大の市場となっている。

ここ数年、国内ファストファッション市場は電子商取引の影響を受け、企業の成長が減速し、中国に出店して10年になるZaraやH&Mは2年近く実体店舗の新規出店を大幅に縮小させ、店舗数は純減状態にある。一方、ユニクロは今年わずか第3四半期までに22店舗を新たに出店しており、今期で唯一、新規出店数が2桁を突破した企業である。ユニクロが遂行する「消費者が負担できる、高品質のファッション」という理念によって、ユニクロはファストファッションが急成長を終える時代に市場優位性を維持できている。

解説:

世界のファストファッションブランドのうち、中国のファストファッションが3分の2以上の市場シェアを占めているが、消費のアップグレード、国産メーカーの台頭、電子商取引の発展につれて、ファストファッションはブランドとコストパフォーマンス面で徐々に優位性を失っており、業界全体の業績は下がっている。ユニクロと同年に創立したForever 21はすでに破産申請をしており、他の消費財ブランドも厳しい状態が続いている。ユニクロのベーシック商品のデザインやスタイル、コストパフォーマンスを重視する姿勢が現代中国の衣料品消費者群のニーズに合致した結果、ユニクロは消費財企業の中で存在感を増すこととなった。

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