財政部1兆元の生活扶助を繰り上げ支給、貧困に終止符を打つ決意

中央財政部は近日、2020年中央財政生活扶助特別会計の歳出予算額が2019年度予算の約90%を占める1,136億元に達する見込みであることを全国28の省に通知した。この金額は異例の高さである。通知では、「3区3州」(最貧困地域、超貧困地域が80%以上存在)など貧困度が高い地域への支援力を高めるよう引き続き求めるとともに、受益者に偏りがないように予算を切り分けて投下するよう求めている。

中国は2020年までに全面的な小康社会実現を目指している。2020年の生活扶助資金を2019年下期に回し、政権公約どおりの実行を確実にする。また、このような多額の特別会計は景気刺激策にもなり、特に経済基盤となる所得層の安定的な成長に功を奏する。

解説:

財政部のこの決定によって、全面的な小康社会実現の荷は軽くなったが、脱貧困が完全に実現できたことを示すものではない。特別会計は結局のところ外部資金であり、2019年下期に資金を投入することは、目先の利益を急いで求めることになりかねない。政権公約を順調に実現させようという気持ちは理解できるが、生活扶助を行う場合、いかに貧困地域における発展の動力源を刺激するかに気を配る必要があり、これは公的支出だからできるというわけではなく、長期的な経済構造改革の計画と文化育成が必要だといえる。

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