デリバリーEC「無接触配送」から「無人配送デバイス」起用へ

「無接触配送」の注文量がデリバリー総注文量の80%に達したのに伴い、美団(MEITUAN)はこのほど、グループ傘下の美団買菜アプリと提携し、自社開発した無人車両を使ってユーザーに新鮮食品を配送するサービスを北京で開始した。

今回の新型コロナウイルスの影響を受け、多くの消費者がオンライン上で生活必需品を購入している。美団買菜アプリの各地の販売額も軒並み右肩上がりとなっており、北京地区の1日当たりの販売量は最高で春節前の3倍にまで達している。美団無人配送センターと中国聯通(チャイナ・ユニコム)北京支店が提携、現地の5Gネットワークを利用して自動運転ニーズに対応している。終息後も、美団は各地で外食産業のデリバリー、薬品の配達など多品目において無人配送を続けていく計画だ。京東(JINGDONG)、蘇寧(SUNING)などのECプラットフォームも無人配送デバイスを投入していく見通しだ。

解説:

今回の新型コロナウイルスがまん延する中、「無接触配送」へのニーズが激増したことで、配送力が行き詰まった状態となった。無人配送デバイスの実施は、美団、京東などのデリバリーECがユーザー習慣の形成、市場シェアの拡大を行う上での切り札となった。5Gのビジネス化時代に、より多くのシーンでの無人配送サービスは常態化するであろうし、データ蓄積とアルゴリズムの改良によって、配送範囲と効率もさらに向上するとみられる。新業態では、産業の川上の自動運転、スマートロボットの産業化発展を有望視しているが、コスト面での問題も今後さらなる改善が待たれるところだ。

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