デジタル注文とデリバリーサービスが決め手、スターバックスが中国で好調

スターバックス(STARBUCKS)はつい先日、2019年度第3四半期の財務報告を発表した。それによると今期の中国における売上高は5%増加、取引数は2%増加となっており、いずれも好調な勢いを見せている。同店のグローバル店舗を含む全体の純利益成長率は前年比7%増加となっているが、これは主に中国国内店舗での純利益成長率17%という数字が牽引している。

同店の中国でのサービス増加は、中国市場における全体的な戦略調整と関係がある。過去数年間力を注いできた高級店舗に加えて、新スタイルの小型テイクアウト専門店「啡快(STARBUCKS NOW)」がスターバックスの要となった。昨年スターバックスとアリババは、デジタル化とデリバリーサービス分野で提携を行う契約を締結したが、このことも成果を挙げている。今年8月、大陸地区のより多くの家庭にコーヒー消費の機会を広げようと、スターバックスとネスレが共同で21種類の商品を発売した。

解説:

中国は現在、米国を除くスターバックスの世界第2位の市場となっている。同店はこれまで同様レギュラーコーヒー市場を席捲しているものの、中国のコーヒー市場の競争は日増しに激しくなり、コーヒー商品やチェーン店モデルの同質化が進んでいる。ニッチ市場向けの高級カフェも次々に登場し、価格の優位性や手軽なデリバリーで急速に成長している新ブランドもある。スターバックスのさまざまなイノベーションモデルは、中国市場で変革を求める野心を示すものでもある。

© 有株式会社