中国新エネルギー自動車業界冬の時代、一方テスラは販売が11月に14倍に急増

11月、中国の新エネルギー車の販売台数が前年比43.7%減少した。こうした厳しい業界状況の中、世界最大の電気自動車販売テスラ(TESLA)の新車登録台数は5,597台に達し14倍と急増した。

登録台数のデータが販売台数と一致しないという点には注意が必要だが、テスラは毎月の販売データを公開していないため、登録数が中国におけるテスラの業績を測るための重要な指標の1つ。今年第3四半期のテスラの販売台数は、前四半期と比較すると2%増加し、上海工場も正式に生産が開始した。中国の買い手を引き付けるため、テスラは中国で製造されたMoedel3の販売価格を来年には20%以上引き下げる予定。こうした要素が追い風となり、テスラの株価は2.77%上昇し400ドル超となり、過去最高を記録した。

解説:

中国の新エネルギー車の販売台数は5ヶ月連続で縮小している。政策助成金の減少のあおりを受け、業界には冬の時代が到来している。その主な原因は、ブレークスルーをもたらす中核技術の不足、中国の新エネルギー車のブランド力の欠如にある。上海工場での生産開始の恩恵を受け、テスラの生産能力と出荷量は大幅に増加、価格面での優位性が徐々に現れてきている。テスラに春が訪れていることからも、製品の持つパワーが中国の消費者を動かしていることは明らかだ。新エネルギー自動車業界「越冬」のための秘策はブランド力強化にある。

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