90年代生まれが映画鑑賞の主力、三、四線都市で興行成績急成長

「2019年度映画市場レポート」によると、1990代生まれがすでに中国での映画鑑賞の主力となっており、貢献度は年間興行成績の55%にのぼる。2000年以降生まれの映画鑑賞者・受け手の規模も急速に成長しており、貢献度は年間興行成績の7%となっている。地域的には、三、四線都市が映画市場の新たな成長点となっており、総計で222億元にも達している。

その他、映画市場の「モンスターヘッド化」が強まりつづけるとともに、映画上位15作品の興行成績の総和が年間興行成績の半分を超えるようになった。なかでも、SNSサイトでの口コミマーケティングが興行成績上昇の主な要因となっている。「流浪地球」、「哪吒之魔童降世」を始めとする優れた質の国産映画が、ソーシャルメディア上の口コミの蓄積により爆発的人気を獲得し、ロングテール効果を実現している。

解説:

中国の映画市場はローエンド化しているが、同時に、質への要求も段階的に向上しつつある。2019年、市場には「流浪地球」のような名作もあれば、「上海堡塁」のような駄作も出現した。ただ、総じて言えば、映画市場において観客は日増しに理性化しており、映画の「大ブーム時代」は間もなく終わるだろう。質と文化的なコアをアピール点とする映画がより好感を得ることができるようなるだろう。同時に、市場のローエンド化のプロセスでは、ハリウッド的な大作にもなお大きな将来性がある。

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