TikTok 中国国内の監査中止で「脱中国化」を加速 海外市場狙う

ショート動画アプリTikTok(中国国内は「抖音」)が中国の監査人員が海外コンテンツをモニタリングすることを終了し、この業務を海外に移すことが分かった。これを受け100名余りの監査人員が同社内部のその他の部門に異動となる。同社は今年5月初めにロサンゼルスに「トランスペアレンシー・センター」を開設し、より多くの外部人員に同社がアメリカでどのようにプラットフォームコンテンツの透明性高めているかを知ってもらいたいと発表していた。

TikTokは字節跳動(Bytedance)が中国以外の市場でローンチしたショート動画アプリで、2017年のローンチ以来ユーザー数は急拡大した。今年2月、TikTokは世界規模で延べ1億1,300万人がインストールし、5,040万ドルの課金収益があり世界でダウンロード数が最も多いモバイルアプリとなった。

解説:

中国のモバイルインターネットが飽和状態に向かっている大きな流れの中で、字節跳動は自社の重点を海外へ移行しつつある。字節跳動はこのほど、会社組織の調整を発表し、上級管理職の2名が中国業務の担当に任命され、創業者兼CEOである張一鳴氏はアメリカとその他の海外市場を担当する。アメリカ市場でのTikTokの急成長により、アメリカ上院議員2名がそのデータセキュリティーに疑念を投げかけている。海外の監査チームに移行する狙いは、中国資本の背景に対する懸念を払拭することにある。

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