【動画】上対馬・結石山 朝鮮半島を望む要衝

©株式会社長崎新聞社

対馬海峡越しに、韓国・釜山市の山並みやビル群が見渡せる結石山からの景観=対馬市上対馬町河内

 対馬海峡を挟み、朝鮮半島まで最短約50キロに位置する対馬市北部の上対馬町。同町河内地区の結石山(ゆいしやま)(標高約190メートル)からは、韓国・釜山の街並みも眺められる。国境の要衝だからか、この地は古くから異国に絡むさまざまな物語に彩られてきた。
 上対馬町誌などによると、奈良時代の歌人で大宰府長官として大和朝廷の外交を担当していた大伴旅人(おおとものたびと)は729年、結石山の桐(きり)を使った琴を朝廷の有力者に贈った。万葉集には、中央への栄転を願って旅人が詠んだ和歌が収められている。
 16世紀後半、豊臣秀吉による朝鮮出兵時に同地区を含む対馬北部は軍船が発進する兵たん基地となった。結石山の城跡からは2003年、建物の礎石や当時の焼き物が出土したという。
 1986年6月、町おこしに向けて町内の若者約20人と手こぎ船での対馬海峡横断に成功した同地区の大浦康伸さん(68)は「力漕(りきそう)9時間。釜山では盛大な歓迎を受けた。結石山から眺めると、いろんなことはあっても韓国は近い国だと実感する」と話す。韓国の眺望は、雨上がり後の晴れた日が見えやすいという。