ワイルド・スピードってどんな映画? 日本車人気が世界に広がった理由は?
世界のクルマ好きから絶大な支持を受けている映画ワイルド・スピード(原題:Fast & Furious)シリーズは、とくに1-3作目までは日本車が多数登場した。
北米を中心に海外で巻き起こる80-90年代の日本車ブーム、JDM人気、そしてスープラ復活に至るまでこの映画がクルマの世界に与えた影響は計り知れないほど大きい。
なぜ、ワイルド・スピードによってここまで日本車の人気が盛り上がったのか?
それは、1-2作目に当時西海岸で流行していたスポコン(シビック、インテグラ、CR-Xなどのホンダ車を中心にA70/80系スープラなど)にカテゴライズされるクルマが多数登場したことが主な理由だ。
クールなカスタム&爆速チューニングを施した多種多様な日本車が次々登場したことで、全米から世界に「日本車のカッコよさ」が一気に広まったと考えられる。
また、3作目のTOKYO DRIFT以外でブライアン・オコナーとして主役を務めた故ポール・ウォーカーがGT-R(R34)や80スープラにほれ込み、自らプライベート所有していたことも人気に拍車をかけた。
映画公開を記念して発売されるトミカはどうなる?
タカラトミーは今年2月に、ワイルド・スピード9作目となる「ジェットブレイク」の公開を記念して、新旧2台のスープラを「ドリームトミカ」として販売することを発表した。
その2台とは、
ドリームトミカ No.148 ワイルド・スピード/スープラ
ドリームトミカ SP F9 The Fast Saga ワイルド・スピード/GR スープラ
である。いずれもメーカー希望小売価格は700円(税抜き)。
レギュラー(赤箱)トミカが450円(同)であることを考えると少し高級なトミカだ。
ちなみに、「ドリームトミカ」とは、アニメや映画に出てくるクルマやキャラクターをトミカ化するシリーズでこれまでも、
・イニシャルDの藤原豆腐店仕様
・No.145 頭文字D AE86 トレノ
・No.141ジュラシック・ワールド ツアービークル
・No.146 デロリアン part.3
など見た目にも楽しいトミカが多数、発売されている。
新旧スープラのドリームトミカは今年5月の発売を予定しており、映画の公開が来年4月に伸びたことでトミカも発売が延期されるのではないか?と思われたが……。
タカラトミー広報部に確認したところ、「発売は予定どおり行われます」とのことであった。
映画公開前に、映画とコラボしたミニカーだけが1年近く前に発売されるのは、かなり珍しいことだが、何はともあれよかった。おそらく大人気となるだろう。
タルガトップの80スープラは1作目後半から登場
ワイルド・スピード「ジェットブレイク」を記念して発売される2台のトミカについて、説明しておこう。
まずは、1作目に出てきたタルガトップの80スープラから。
このスープラ『1994 Toyota Supra MK IVタルガトップ』は2001年に公開された1作目「ワイルド・スピード」の後半に主人公であるブライアン・オコナー刑事(故ポール・ウォーカー)の愛車として登場する。最初はスクラップ同然のひどい状態だったが、トヨタ最強のスポーツエンジン2JZだけはきれいな状態で搭載されていた。これを3.1Lに拡大しTurbonetics製 T-66ボールベアリングターボをボルトオン。
もう一人の主人公ドミニク(ヴィン・ディーゼル)が経営する整備工場に持ち込まれ大規模なレストア、チューニングが施され、
最高出力700HP超を発揮する最速のゼロヨンマシンに生まれ変わった。
印象的なオレンジカラーはランボルギーニ・ディアブロ純正のキャンディパールオレンジ(Lamborghini Diablo Candy Pearl Orange)と同色となる
なお、メインとなるのはタルガトップだが、映画の撮影用として純粋なクーペモデルも数台用意されており、大映しにならないシーンではクーペボディのスープラが使われていた。
昨年5月に開催された「SUPRA IS BACK TO JAPAN FES」では、映画と同じクーペボディのスープラが展示され、GRスープラととともに人気を博した。
オレンジと黒のボディカラー…これは世界一有名なRX-7と同じ!?
そしてもう1台ドリームトミカとして発売されるスープラは、2019年に全世界で発売が開始されたGRスープラである。
このカラーリング。ワイスピファンならお気づきだろう。ワイルド・スピード3「TOKYO DRIFT」に出てくるマツダRX-7『VeilSide(ヴェイルサイド)RX-7 Fortune』と同じだ。世界一有名なオレンジと黒のRX-7は現在も欧州やアメリカ、アジアなど世界中から、VeilSideにボディキットの注文が入るという。
9作目に初めて登場するGRスープラがなぜこの色なのか?
それはTOKYO DRIFTのRX-7と同じキャストが乗るからである。
そのキャストとは、「TOKYO DRIFT」でRX-7 に乗って事故死したとされていたハン(サン・カン)である。
ファミリー唯一のアジア系(韓国系アメリカ人)俳優ということで日本での人気も非常に高い。そのハンが「ジェットブレイク」でオレンジと黒にカラーリングされたGRスープラと共に再び登場する。
そのスープラが『ドリームトミカ SP F9 The Fast Saga ワイルド・スピード/GR スープラ』
として5月に発売される予定。
ただ少し心配なのは、以下2種のトミカ&トミカプレミアムの発売が4月18日→25日に1週間延期となる模様。
トミカ 日立建機 ローディングショベル EX8000-7
トミカプレミアム 日産 スカイライン GT-R(KPGC10
5月に発売される2台のスープラも何らかの影響を受ける可能性はありそうだ。
多少遅れるのは問題ないが、映画公開のように1年近く遅れるようなことはないと信じたい。
[筆者:加藤 久美子]