中国スマホが持ち直し コスト上昇でスマホ市場は値上げ傾向

華為(HUAWEI)、小米(MI)、OPPOなど中国スマホブランドはここ最近、値上げ傾向にあり、新機種の価格では程度の差はあるもののおおむね値を上げている。そのうち、アップル(APPLE)、サムスン(SAMSUNG)のハイエンド機種をベンチマークした小米10Proの販売価格が最も高く5,999元となっている。

中国の感染拡大が基本的に収束段階にあり、スマホメーカーも生産操業が再開している。多くのスマホブランドで3月初めの販売台数は報復的な反発となり、OPPOの販売データではすでに昨年同期の水準まで回復している。新型コロナウイルスの影響を受け、世界の主な電子デバイスメーカは生産能力が下がった一方、半導体製品は値上げ段階に入った。このほか、中国の最新情報では、中国国産スマホのスペックが向上し、スマホ生産コスト全体が上昇したため、今期の価格上昇につながったとみている。

解説:

中国スマホの生産再開、新型コロナウイルスの抑え込みの効果が次第に現れ始めたことで、5Gビジネス化後のスマホ買い替え需要が見込まれている。川上の原材料の値上がりと性能の向上により、新規スマホ価格の上昇は市場予測と一致している。産業チェーン価格の変動のほかに、アップル、サムスンなど中国市場における海外製品の市場シェアの縮小もあり、ハイエンド市場における中国国産スマホの代替傾向が顕著になってきた。現地スマホブランドの利益率への追求と「量」から「質」への変化も価格上昇の要因の一つである。

© 有株式会社