海洋エネルギー関連分野で連携 長崎大、西海市 洋上風力発電と漁業 共生へ研究

連携協定を結んだ(左から)杉澤市長、河野学長、武田機構長=長崎市、長崎大

 長崎大海洋未来イノベーション機構と西海市は30日、海洋エネルギー関連分野での連携協定を結んだ。同市江島沖で計画されている洋上風力発電事業の実現に向け、同機構が事業と地元漁業との共生を目指した研究などに取り組む。同分野での連携協定締結は、同機構、同市ともに初めて。

 洋上風力発電を巡っては昨年末、国が洋上風力発電普及法に基づき、施設を優先的に整備する「促進区域」に五島市沖を指定した。西海市も江島沖の指定を目指しており、指定には地元の漁業者など利害関係者の合意が必要となるという。
 今後、江島沖の魚の分布状況や行動生態などを調査。洋上風力発電施設ができた場合、海中の生態系がどう変化するかなど将来の予測も含めて研究する。藻場のモニタリングや、魚を呼び寄せる誘導漁礁などの実証実験も実施し、両者が漁業振興策や離島地域の振興策などを検討する。
 締結式は長崎市文教町の同大であり、河野茂学長、同機構の武田重信機構長(同大総合生産科学域教授)、杉澤泰彦市長らが出席。河野学長は「地域の課題に向き合い、地域に貢献する産学官連携を進める」。杉澤市長は「地域資源を生かす本市の最重要プロジェクト。連携強化を図り、海洋エネルギーと水産業の共生モデルを構築したい」と強調した。

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