パイレーツの右腕・タイオン 開幕時期にかかわらず今季全休へ

昨年8月に自身2度目のトミー・ジョン手術を受けたジェイムソン・タイオン(パイレーツ)は、新型コロナウイルスの感染拡大によってレギュラーシーズンの開幕が延期となり、10月まで試合が行われる可能性が浮上したため、今季中に戦列復帰できる可能性が出てきた。しかし、今季中にメジャーのマウンドに復帰する可能性を尋ねられたタイオンは、その可能性を明確に否定した。

新型コロナウイルスの感染拡大という世界規模での危機的状況のなか、球界でも試合が全く行われない日々が続いているが、タイオンはプログラムに沿ったリハビリを継続している。また、パイレーツの代表としてメジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会のあいだで行われた協議にも参加。協議の結果、10月以降にもレギュラーシーズンの試合を開催する道がひらかれた。

昨年8月にタイオンがトミー・ジョン手術を受けた時点では、パイレーツは「タイオンの復帰は2021年になる」と明言していた。しかし、リハビリが順調に進行し、10月や11月に試合が行われるようであれば、今季中にタイオンがメジャーのマウンドに立つことは十分に可能。だが、タイオンは「その可能性について考えたことがないと言えば嘘になるけど」としつつも、「チームはとても素早くその可能性を排除したよ」と語り、今季中の戦列復帰の可能性を否定した。

タイオンはメジャー昇格前の2014年にもトミー・ジョン手術を受けており、今回が2度目となる。よって、パイレーツはタイオンの戦列復帰までのプロセスを慎重に扱いたいと考えている。また、10月や11月に試合が行われることは、来季開幕までのオフの期間が短くなることを意味するため、手術明けのタイオンに不要な負担をかけたくないという思惑もあるようだ。

現在28歳のタイオンは、メジャー3年目の2018年に14勝10敗、防御率3.20の好成績をマークし、パイレーツのエース格とみなされるようになった。昨季は故障離脱までのあいだ、7試合に先発し、2勝3敗、防御率4.10という成績だった。

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