宴会の際話題にもなった器がズラリ 山口市菜香亭で料亭時代の漆器・陶器を展示 5月11日まで

▲約700点の器が並ぶ

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、山口市菜香亭は5月11日まで休館中。それに伴い、会期終了は5月31日(日)に変更になりました。(2020年4月16日追記)

 

 企画展「料亭菜香亭の漆器の“量”」が、山口市菜香亭(山口市天花1、TEL083-934-3312)で開かれている。5月11日(月)まで。

 料亭・菜香亭は、1877(明治10)年に毛利藩の料理担当だった斎藤幸兵衛が上堅小路に開業。5代目店主の名物女将・斎藤清子さん(故人)が高齢のため1996(平成8)年にそののれんを下ろすまで、約120年間にわたり、多くの政財界人に親しまれた。現在の山口市菜香亭は、八坂神社境内の一角にあった建物などを、山口市の文化交流拠点として移築・復元したものだ。

 料亭時代に詳しく、山口市菜香亭の初代館長を務めた福田礼輔さん(故人)が「かつて放送文化研究会が山口で開かれたとき、夕食会が菜香亭であり委員のひとりだった女優の藤村志保さんが、会席膳の輪島塗におどろいたので、当時の清子おごうさんが『まああなた器より料理はどねーだりますか、山口名物チシャもみでござります』と酌をし、一座が大笑いになったこともあった」と記す(2011年6月18日付サンデー山口「札の辻・21」より)など、料亭時代には、宴会の際に器が話題になることもあったようだ。

 企画展では、料亭時代に本来あった膳600点のうち60点、椀約900点のうち約200点、他の漆器約160点を展示。陶器も、ちょこ216点、皿等約50点が並ぶ。「同じ柄のちょこが177個あり、百畳を埋める客が入る場合、それだけ必要であったことが分かる」と同館。会場には、宴会時の写真28点も、合わせて展示されている。

 時間は午前9時から午後5時まで。観覧料は、大人100円、小・中学生50円(大広間観覧料含む)。火曜休館。

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