長崎県美術館新館長の小坂氏抱負 「継承、交流、創造を軸に」

記者会見する新館長の小坂氏(右)と13年間館長を務めた米田氏=長崎市、県美術館

 1日付で県美術館(長崎市出島町)の館長に就任する小坂智子氏(63)が31日、同館で記者会見し、「継承、交流、創造を軸に県民に開かれた文化活動の拠点をつくりたい」と抱負を述べた。館長就任は3人目で13年ぶり。女性は初めて。
 小坂氏は東京都生まれ、慶応大文学部哲学科卒。専門は美術史学や博物館学。石橋財団ブリヂストン美術館、同大アート・センター勤務を経て、2000年から長崎国際大人間社会学部国際観光学科教授、15年に佐賀大文化教育学部教授、16年から同大芸術地域デザイン学部長。長崎県美術館には05年に開館する前から県新美術館基本構想専門家会議や県美術館事業検討会の委員として関わり、開館後も同館の指定管理者である長崎ミュージアム振興財団の評議員を務めてきた。
 小坂氏は「これまでは応援する立場、利用する立場だったが、運営に携わる機会をいただき感謝したい」とあいさつ。同館が各世代のニーズに合った展覧会や教育活動の場を積極的に提供してきたことなどを評価し、まずは同館の現体制を受け継ぐことに注力する考えを示した。
 07年から館長を務めてきた米田耕司氏(74)は「長崎は忘れがたい土地。皆さんに感謝している」と述べた。

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