新年度がスタートした1日、神奈川県内の官公庁でも入庁式を中止、縮小するなど異例の対応がみられた。県は新規採用職員の辞令交付式の会場を分散し、時間を短縮。3政令市でも職員の感染防止に努める動きが相次いだ。
県庁の式は8会場で実施し、新採用職員計435人のほぼ全員がマスク姿で出席。黒岩祐治知事は各会場を回り、「皆さんの配属先はさまざまだと思うが、今は全庁一丸となってコロナと闘うことが第一。いきなりの戦力として“公務員魂”を発揮して頑張っていただきたい」と呼び掛けた。
平塚保健福祉事務所に配属された保健師の大関佳奈波(かなは)さん(22)は「こういう時期だけに責任と覚悟を持って職務に臨みたい。住民一人一人にウイルスが危険だと自覚してもらえるよう分かりやすい言葉で伝えていきたい」と抱負を語った。
一方、横浜市は836人が対象の採用式を中止した。新採用職員は関内ホール(同市中区)など2会場で辞令交付などの事務手続きと研修を受けた。両会場で「責任感と強い誇りを持って活躍することを期待している」などとする市長メッセージが代読された。
川崎市は新採用職員の辞令発令式を21の局区別で実施。237人の新採用職員は、それぞれの局長や区長から辞令を受け取った。
相模原市も辞令交付式を簡略化。新採用職員148人が対象の式は全員の名前の読み上げを取りやめ、幹部職員の辞令は代表のみに交付した。