【新型コロナ】三浦の朝市も悲鳴 収入直結、関係者「休市、いつまで…」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、休市を続ける三崎朝市の開催会場=三浦市三崎

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、3月から朝市を開けなくなっている三浦市内で朝市関係者から悲鳴が上がっている。休市は出店者の収入に直結しており、大打撃を受けている漁業者らは「いつまでこの状況が続くのか」と苦悩を打ち明ける。

 毎週日曜に三崎港そばで開かれ、千~2千人ほどが来場していた三崎朝市は、3月1日の開催を最後に休んでいる。毎週買い物に訪れる常連客もいるなど地元に定着しているだけに、鮮魚店を中心に約20事業者で構成する同朝市協同組合の宇田川景一郎副理事長は「不便を掛け申し訳ない」と話す。

 来場客や事業者には、新型コロナウイルスに感染すれば重症化しやすいとされる高齢者も多い。感染リスクを考えれば「培ってきた信用を守るには休む方がベター。耐えるしかない」との結論に至ったという。

 とはいえ朝市での売り上げを収入の主とする組合員もおり、長期の休市は死活問題。組合員からは「(営業している)スーパーと何が違うんだ」と、開催を望む声も聞かれるが再開は見通せない。宇田川副理事長は「休むかどうか正解がない。すごく難しいことを国は僕らに要求している」と不満をにじませる。

 漁業者や農家など10事業者でつくる金田湾朝市も3月上旬から休む。約30年前に開かれて以来、休市は台風が直撃した数回のみ。ただ東京など県外からの来場者も多く、感染拡大を防ぐため休むことを決めた。

 3月は生ワカメを目当ての客が訪れるため準備してきたものの、約3トンを処分することに。例年4月は旬のシコイワシ150キロが30分で売り切れるほどの人気だが、今年は5月の大型連休の開催すら見通せない。

 「夏まで続いたら厳しいってもんじゃない」と話すのは漁師歴約50年の岡本俊幸・同朝市部会長。収入減は、各事業者の工夫で乗り切っている状況というが、岡本さん自身も朝市での売り上げが収入の4割を占めるだけに苦しい。髙木裕二副部会長も「国は商売を止めるなら止めて、ちゃんと補償してほしい。今のやり方では感染拡大は抑えられないし、国は責任逃れをしている」と訴えた。

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