MLBが厳選した「えぐいスライダー」TOP5 2年連続CY賞のデグロムは149キロの“高速魔球”

メッツのジェイコブ・デグロム【写真:Getty Images】

メッツ・デグロムの平均スライダー球速は149キロ、球界でも群を抜くスピードを誇る

 新型コロナウイルス感染拡大により、開幕が延期されたメジャーリーグ。各球団の活動が停止されている中、MLB公式サイトは「これらのスライダーはえげつないし、ワイルドな動きをする」と、えぐいスライダーの使い手5投手を厳選。凄まじい変化を見せるスライダー動画を公開している。

 MLB公式サイトが厳選したのはメッツのジェイコブ・デグロム、ヤンキースのアダム・オッタビーノ、ナショナルズのマックス・シャーザー、アストロズのジャスティン・バーランダー、レイズのチャズ・ローの5投手。記事はまずデグロムに言及し、えぐい理由はスライダーの平均球速が92.5マイル(約149キロ)であることと指摘している。

 2年連続サイ・ヤング賞のデグロムは主に3種類の球(フォーシーム、スライダー、チェンジアップの3種類を)を多用すると説明。「彼のスライダーはこの3球種のなかで最も手ごわいかもしれない。というのも、平均レベルのフォーシームよりも一目盛り遅いスライダーを投げるからだ」と評している。記事によると、MLB投手の直球の平均速度は93.4マイル(約150.3キロ)。デグロムの92.5マイルは、昨年250球以上を投げた投手では2位のザック・ウィーラー(フィリーズ)の91.2マイル(約147キロ)より1マイル以上速いと指摘している。

「昨シーズン、92マイルかそれ以上のスピードのスライダーが記録された回数は1094回で、そのうちの708回はデグロムによるものであった。デグロムのフォーシームとスライダーの平均球速には4.4マイル(約7キロ)の違いがあり、どの球が飛んでくるのかを打者が判断することを更に困難にした」

ヤ軍オッタビーノの曲がり幅は約47センチ、「ブーメランスライダー」と称される

 ヤンキースのオッタビーノについては曲がり幅がえぐいと指摘。曲がり幅が18.4インチ(約46.7センチ)あるという。「オッタビーノのブーメランスライダーは何度も見たくなる類の球の一つだ。気付いた時には多くの疑問を投げかけたくなるだろう。どうやったらあんな変化をするんだ? 彼はウィッフルボールを投げているのか?」と伝えている。オッタビーノは速球よりも多くのスライダーを投げるとし、昨季のスライダーの被打率は.157、奪三振数は46個だったと説明している。

 次にナショナルズのシャーザーに関しては「ストライクゾーン内での空振り率37.6%」がえぐいと評価。この数字は先発投手ではトップであると指摘、ゾーン内外でスライダーを巧みに操り、記事は「どっちだろうと関係ない。打者は打てないと」している。

 そして、アストロズのバーランダーがえぐい理由は「(打者が反応してスライダーを)追わせる率が51%」であると指摘。スライダーが昨季サイ・ヤング賞受賞の「鍵」となる球種だったと解説している。昨季のボールゾーンに外れる空振り率が51%であることに「ゾーンの外にスライダーを250球以上投げている投手の中で球界全体で2番、先発では1番」と指摘している。また、昨季バーランダーとの対戦で、スライダーで打席が完了した(結果が出た)際の被打率は.119だったという。

 いずれ劣らぬ“魔球”スライダーの使い手。彼らが伝家の宝刀で相手打者を打ち取るシーンが待ち遠しい。(Full-Count編集部)

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