清水建設、豊洲スマートシティで「都市型道の駅」開発 次世代の交通結節点づくりへ

清水建設株式会社(以下、清水建設)は、日本初の“都市型道の駅”である「豊洲MiCHiの駅」を整備すると発表した。豊洲スマートシティ内で同社が開発を進める「豊洲六丁目4-2・3街区プロジェクト(仮称)」での実現を目指すもの。次世代モビリティサービスなどの新規事業を検証・実装する場として利用し、他企業と連携しながら豊洲エリアの活性化を目指す。

清水建設の発表によると、「豊洲六丁目4-2・3街区プロジェクト(仮称)」とは、大規模オフィスビルと豊洲エリア最大規模のホテルを核とする複合開発計画。同街区は、国土交通省が「スマートシティ先行モデルプロジェクト」の一つに選定した「豊洲スマートシティ」内に位置する。計画地は、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)の「市場前」駅と隣接し、オフィス棟とホテル棟の間に設ける交通広場には、都心と接続する東京BRT(バス高速輸送システム)や羽田・成田空港と接続する高速バスが乗り入れる予定。

■「都市型道の駅」構想でまちの賑わい創出

「豊洲MiCHiの駅」は、交通広場のバスターミナル機能を核として整備する。交通広場の上部を大規模なデッキで覆い、来街者の憩い・交流の場となるオープンスペースを設けるという。このスペースを介して、「市場前」駅と晴海運河の水辺空間をつなぐ歩行者デッキも整備するとしている。

併せて、車いす利用者、視覚障がい者等を含む来街者を、それぞれに適した誘導方法で案内するスマートフォン対応の音声ナビや、交通・防災情報をタイムリーに提供するデジタルサイネージを実装する方針だ。

また、フードトラックをはじめとしたモビリティビジネス・プラットフォーム事業を展開する株式会社 Mellow の移動型店舗サービスの導入も予定しているとのこと。同社には飲食・物販でまちの賑わい創出に寄与することが期待されている。

■フィジカル×サイバーの「都市デジタルツイン」でサービス開発を加速化

スマートシティ化に向けた取り組みとして、当街区および周辺エリアを対象に、フィジカル(現実)空間とサイバー(仮想)空間を融合させた「都市デジタルツイン」を構築する予定であることも併せて発表された。

都市インフラや地盤、建物などの三次元デジタルデータに、カメラやセンサー群から収集した交通や人流、物流、エネルギー、環境などのモニタリングデータをリアルタイムに反映させることで、サイバー空間上にフィジカル空間とリンクした動的な仮想モデルを構築するという。

この仮想モデルを利用したシミュレーションで、施設の運営や次世代型モビリティサービス等の効果を検証し、施設利便性の高度化、新規サービス事業開発の加速化を図る考えだ。

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