ESPN「5年後、彼は殿堂入りする最初の日本選手になる」
日米通算4367安打を放ったイチロー氏は19年前の2001年4月2日(日本時間3日)にメジャーデビューを飾った。米スポーツ専門テレビ局「ESPN」は当時を回顧。“イチロー伝説”を伝えている。
「2001年の今日、イチローがMLBデビューを果たした。イチロー・スズキはメジャーリーグで最初の日本人野手となった。5年後、彼は殿堂入りする最初の日本選手になる」と記事は伝え、入団1年目のエピソードを紹介している。
「その春の序盤、イチローは逆方向にソフトなゴロやフライを多く打っていた。マリナーズのルー・ピネラ監督はイチローに左翼への弱い打球以外に打てないか聞いた」。するとイチロー氏は右翼方向を指して、打ってほしいのであれば、あっちに強い打球を打てると答えたという。ピネラ監督は「イエス。あっちに強い打球を打ってくれ」と伝えたとしている。
「その最初のシーズン、イチローはあらゆる方向に強い打球を放ち、打率.350をマークして新人王とMVPを受賞した」と記事は述懐。さらに「そのシーズン序盤、彼はバウンドした球を打ってヒットにした」と指摘し、当時のGMであるパット・ギリック氏の言葉を伝えている。「彼は日本でいつも練習していたみたいだ。バウンドした球を打つことをね」。
元ロッテ指揮官「偶数の数字を一瞬で足し算、数学的な頭脳を持っている」
次に記事はボビー・バレンタイン氏が、イチロー氏を「数学の天才」と評していたことを伝えた。「35階のホテルのエレベーターで、彼がボタンの偶数の数字を一瞬で足し算するのを見たんだ。彼が外野で上を見ずに走り、打球の場所にたどり着くのは数学的な頭脳を持っているからだよ」とバレンタイン氏は話していたという。
バレンタイン氏は1995年のロッテ監督時に、オリックスを同年の優勝に導いたイチロー氏と対戦。2001~02年はメッツ監督、12年はレッドソックス監督としてイチロー氏と相まみえている。“数学的頭脳”が天才的プレーの一助になっていたと語っている。
さらに記事は、こう伝えた。「彼は絶対にバットをグラウンドに投げたり、ラックに乱暴に入れたりしなかった。丁寧に置くべき場所にバットを置いていた」。用具を丁寧に扱うイチロー氏らしいエピソードを紹介している。
2001年4月2日のアスレチックス戦。イチロー氏は「1番右翼」で先発出場して5打数2安打。7回の第4打席に中前へ初安打を放ち、8回裏にはバント安打で出塁した。2019年3月21日に引退するまでMLB通算3089安打。その功績が色褪せることはない。(Full-Count編集部)