県費54億円を二重払い 横浜銀行の送金でシステムエラー

県費の二重払いについて記者会見で謝罪する県と横浜銀行の幹部ら=県庁

 神奈川県と横浜銀行は3日、法人や個人への県費支払いについて、総額約54億4600万円の二重払いが発生したと発表した。県指定金融機関である同行の口座送金処理でのシステムエラ-が原因とし、同行が入金取り消し手続きを進めている。

 二重払いがあったのは3日の支払い分で、8234件(法人2299件、個人3142件、官公庁40件など)、計54億4636万8657円。法人は県立高校の工事請負費などで、1件当たりの最大額は約1億4891万円だった。個人は就学支援金など。

 同行県庁支店が2日、県依頼分の振り込みを登録したところデ-タ受理ができず、県が取り消しを依頼。正しく取り消されないまま再登録し、3日の振り込み手続きで二重入金が発生した。アラ-ムが作動し、同行が入金取り消し手続きを実施。約51億6千万円分は取り消したが、仮に損失が発生しても県が負担することはないという。

 県と同行は昨年12月、相互の働き方改革を目的に新たな資金決済サ-ビスを導入する連携協力協定を締結。今年3月から運用していた。

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