新人王受賞者によるベストナイン イチローも選出

メジャーリーグではこれまでにフランク・ロビンソン、ウィリー・メイズ、ジョニー・ベンチといった球史に残る名選手たちが新人王を受賞してきた。現役選手のなかでも、マイク・トラウト(エンゼルス)、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)、コディ・ベリンジャー(ドジャース)、クレイグ・キンブレル(カブス)といったスター選手たちが新人王受賞者のリストに名を連ねている。日本時間4月4日、メジャーリーグ公式サイトのリチャード・ジャスティスは、これらの新人王受賞者のなかからベストナインを選出する特集記事を公開。2001年にアメリカン・リーグの新人王を受賞したイチローも「新人王ベストナイン」に選出された。

今回の企画では、新人王を受賞した選手のそのシーズンの成績のみが選考対象となっている。新人王は1947年に制定され、黒人メジャーリーガー第1号となったジャッキー・ロビンソンが初代受賞者となり、1987年にはロビンソンの名前が冠せられるようになった(ジャッキー・ロビンソン賞)。したがって、今回の企画では1936年と1939年にそれぞれ大活躍を見せたジョー・ディマジオとテッド・ウィリアムスなど、新人王制定以前のルーキーは含まれていない。

ジャスティスが選出したベストナインのなかで、賛否が大きく分かれるのは一塁手部門だろう。ジャスティスは、新人最多記録の53本塁打を放った2019年のピート・アロンゾや打率.329、37本塁打、130打点をマークした2001年のアルバート・プーホルスではなく、1947年のロビンソンを選出。純粋な個人成績ではアロンゾやプーホルスに及ばないものの、「彼のパフォーマンスは数字では測れない」とロビンソンの功績をたたえている。

また、外野手部門では2012年のトラウトとともに、2001年のイチローと1975年のフレッド・リンが選出されている。新人王とMVPを同時受賞したのはメジャーリーグの長い歴史のなかでイチローとリンの2人だけであり、打率.326、30本塁打、49盗塁をマークしたトラウトも、ミゲル・カブレラが三冠王でなければMVPに選出されていたはずだ。MVPに値する活躍を見せた3人による極めて強力な外野トリオとなった。

ジャスティスが選出した「新人王ベストナイン」の顔ぶれは以下の通り。

捕手
マイク・ピアッツァ(1993年・ドジャース)
149試合 打率.318 35本塁打 112打点 3盗塁 OPS.932

一塁手
ジャッキー・ロビンソン(1947年・ドジャース)
151試合 打率.297 12本塁打 48打点 29盗塁 OPS.810

二塁手
ダスティン・ペドロイア(2007年・レッドソックス)
139試合 打率.317 8本塁打 50打点 7盗塁 OPS.823

三塁手
ディック・アレン(1964年・フィリーズ)
162試合 打率.318 29本塁打 91打点 3盗塁 OPS.939

遊撃手
コリー・シーガー(2016年・ドジャース)
157試合 打率.308 26本塁打 72打点 3盗塁 OPS.877

外野手
マイク・トラウト(2012年・エンゼルス)
139試合 打率.326 30本塁打 83打点 49盗塁 OPS.963

外野手
イチロー(2001年・マリナーズ)
157試合 打率.350 8本塁打 69打点 56盗塁 OPS.838

外野手
フレッド・リン(1975年・レッドソックス)
145試合 打率.331 21本塁打 105打点 10盗塁 OPS.967

指名打者
ヨルダン・アルバレス(2019年・アストロズ)
87試合 打率.313 27本塁打 78打点 0盗塁 OPS1.067

先発投手
マーク・フィドリッチ(1976年・タイガース)
31試合 19勝9敗0セーブ 防御率2.34 250回1/3 97奪三振

救援投手
クレイグ・キンブレル(2011年・ブレーブス)
79試合 4勝3敗46セーブ 防御率2.10 77回 127奪三振

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