県内62人、事故や停電も 大雪

 本州の太平洋側を急発達しながら進んだ「南岸低気圧」の影響で18日、東京都心で6センチの積雪を観測するなど関東甲信や東北の広範囲で大雪になった。転倒や事故が相次ぎ、共同通信のまとめでは約260人が負傷。交通網は大きく乱れた。

 関東は同日中にピークを越えたが、東北は雪が降り続いた。気象庁は北海道、東日本と西日本の日本海側でも19日以降、大雪の恐れがあるとして警戒を呼び掛けた。

 県内では、大雪や強風に伴う転倒などで負傷したのは男女計62人に上った。鉄道網の混乱に加え、車のスリップ事故や停電も各地で相次ぎ、影響は多方面に及んだ。寒気が入り込む19日朝の最低気温は横浜で3度、小田原は氷点下1度と予想され、横浜地方気象台は引き続き路面の凍結などに注意を呼び掛けている。

 18日午後5時現在の県や各消防などのまとめでは、負傷者は横浜市24人、川崎市17人、相模原市9人、藤沢市5人、大和市3人、鎌倉、伊勢原市が各2人。雪や強風で転倒し、足などの骨を折ったり、頭を強打したりする人が目立った。横浜市旭区では40代の男性が駅のホームで滑って転び、膝を骨折。伊勢原市では女性(69)が風にあおられて転倒し、太ももの骨を折ったという。

 横浜市消防局は「日陰やビルの谷間など雪が解けきっていない所もある。19日朝の通勤時も注意を」と呼び掛けている。同市泉区では雪による倒木があり、住宅の屋根が損壊した。

 鉄道はJR横浜線や相鉄線の一部車両でパンタグラフが雪の重みで上がらなくなるトラブルがあり、京急線もダイヤが大幅に乱れた。主要道路では、第3京浜や横浜新道が一時通行止めになった。停電は川崎市多摩区や相模原市緑区、平塚市などで計約5千軒に上った。

 県教育委員会のまとめでは、県立高校と特別支援学校計18校が休校。雪の深かった相模原市や箱根町の公立幼稚園4園と小中学校など23校も休園・休校となった。

 

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