オリンピック・男子フリースタイルの個人別メダル獲得ランキングは下記の通り。アレクサンダー・メドベジ(ソ連)とブバイサ・サイキエフ(ロシア)の2選手が3個の金メダルを手にしている。
メドベジは1964年東京大会・68年メキシコ大会・72年ミュンヘン大会の最重量級で優勝。世界選手権では「金7・銀1・銅1」を取っており、通算で10度の世界一、12個の“世界メダル”を獲得。のちにベラルーシ協会の会長となった。
サイキエフは1995年世界選手権(米国)で、20歳で初出場初優勝し、翌年のアトランタ大会で優勝。2000年シドニー大会はブランドン・スレイ(米国)に敗れて9位だったが、2004年アテネ・08年北京大会で勝ち、3度優勝を達成した。世界選手権を合わせると、9度世界一に輝いている。
メダルの数で言えば、米国最重量級のブルース・バウムガードナーが「金2・銀1・銅1」の4個で最多。世界選手権を合わせると「金5・銀4・銅4」の13個の“メダル”を手にした。日本選手では、上武洋次郎(現姓小幡)が唯一の2大会優勝選手。
なお、当初はアルトゥール・タイマゾフ(ウズベキスタン)も3度優勝(3連覇)に名を連ねていたが、2017年に2008年北京大会でのドーピング違反が発覚。国際スポーツ裁判所(CAS)へ訴えたが却下され、金メダルの剥奪が確定。昨年夏には、2012年ロンドン大会でもドーピング違反が指摘された。
現在、CASで係争中のもようで、現段階では優勝に名を連ねており、2度優勝となっている。
《男子フリースタイル・メダル獲得全選手》=同順位内では、ABCD順
世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は現在、ドーピング検査での検体を10年間保存し、最新技術で分析して過去の違反者を摘発しています。2016年リオデジャネイロ大会後でも、2008年北京大会金メダリストのメダル剥奪が正式に決まり、同級の順位が変動しています。下記は2020年3月現在の記録で、今後のドーピング違反摘発によっては、数字が変わります。
オリンピック・メダル獲得上位選手(男子フリースタイル)
※同順位内では、ABCD順
No. 選 手 名 国 別 主な階級 金 銀 銅 大 会
1 Medved, Alexander ソ 連
- 100kg級
3 1964・68・72年(金)
〃 Saitiev, Bouvaisa ロシア 74kg級 3 1996・2004・08年(金)
3 Baumgartner, Bruce 米 国 130kg級 2 1 1 1984・92年(金)、88年(銀)、96年(銅)
4 Chadarzev, Makharbek ソ連ほか 90kg級 2 1 1988・92年(金)、96年(銀)
〃 Pihlajamaeki, Kustaa フィンランド 61kg級 2 1 1924・36年(金)、28年(銀)
〃 Taimazov, Artur ウズベキスタン 120kg級 2 1 2000年(銀)、04・12年(金)
7 Andiev, Soslan ソ 連
- 110kg級
2 1976・80年(金)
〃 Batirov, Mavlet ロシア 60kg級 2 2004・08年(金)
〃 Beloglasov, Sergey ソ 連 57kg級 2 1980・88年(金)
〃 Dagistanli, Mustafa トルコ 62kg級 2 1956・60年(金)
〃 Fadzayev, Arsen ソ連ほか 68kg級 2 1988・92年(金)
〃 Kim, Il 北朝鮮 48kg級 2 1992・96年(金)
〃 Mehnert, George Nicholas 米 国 54kg級 2 1904・08年(金)
〃 Richthoff, Johan Cornelius スウェーデン
- 87kg級
2 1928・32年(金)
〃 Smith, John 米 国 62kg級 2 1988・92年(金)
〃 Tediashvili, Levan ソ 連 90kg級 2 1972・76年(金)
〃 上武洋次郎 日 本 57kg級 2 1964・68年(金)
〃 Yarygin, Ivan ソ 連 100kg級 2 1972・76年(金)