新型コロナウイルスの感染が拡大する中、県内の多くの公立学校で6日、入学式や始業式が行われた。体育館や教室の窓を開けて換気し、間隔を空けて座席を配置するなど、各校とも密閉、密集、密接の「三つの密」を避けることに心を砕いた。感染を心配し、入学式や始業式を欠席させる判断をした保護者もいた。
189人が入学した川崎市立日吉小学校(同市幸区)は入学式を2回、実施。1年生の6クラスを奇数と偶数に分けた上、待機場所も児童は教室、保護者は校庭にするなど密集するのを防いだ。
式典で、長井典子校長は「皆さんと会えるのを楽しみに待っていました」と1年生を歓迎し、クラス担任を紹介した。在校生の歓迎の催しなどは省略し、国歌斉唱もピアノの伴奏のみ。例年、30~40分ほどかかる式典は約10分で終了した。
三浦市立初声小(同市初声町下宮田)も新入生1人に保護者2人までとするなど、規模の縮小や時間の短縮を徹底した。八巻貞司校長は「楽しみにしていたことを取っておき、再開したら元気に楽しく学校生活を送り、初声小を好きになって」と語り掛けた。
大和市立草柳小(同市中央3丁目)は式典の時間を短縮させるため、保護者向けの内容は書面にして配布。鎌倉市立稲村ケ崎小(同市極楽寺3丁目)は式終了後、1年生に教室の自席の位置を確認させるため、3人ずつ入退室させるなどした。
保護者も、わが子の晴れ姿を複雑な心境で見守った。次女が初声小に入学した会社員の小沢将史さん(31)は「(入学式は)一生に一度の大事な行事。開催されるか不安だったが、一安心」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。稲村ケ崎小に長女が入学した主婦(38)は「3月の卒園式に続いて例年通りにできず、悲しくなった。親として、早期の終息を願うばかり」と吐露した。草柳小では、人数制限で中に入れず、開け放たれた体育館の入り口から式を見学する保護者の姿もあった。
入学式と同様、始業式も感染防止策を講じた上で行われた。
相模原市立淵野辺東小(同市中央区)は、校内放送による始業式を行った。各教室では窓を開け、机も普段より間隔を空けた。マスクを着用した児童が目立った。
川上孝生校長が放送を通じ、「皆さんが元気そうでうれしいです。学校再開までの間、手洗いやうがい、マスクをして、狭い所、人の集まる所、人と触れ合う事を避けて過ごしてください」と呼び掛けた。5年4組はクラスの本年度の目標を発表し合った。
初声小でも全校放送を活用して始業式が行われた後、新しい教科書や休校期間の自宅学習教材が配布された。6年の菊池美羽さん(11)は「久しぶりにみんなに会えてうれしかった」と喜び、休校中は「勉強したり、校庭の開放時間に友達と会ったりしたい」と話した。