アリゾナでのシーズン開幕案についてMLBが公式声明を発表

「30球団をアリゾナに集めて早ければ5月中にも2020年のレギュラーシーズンが開幕する可能性がある」と各メディアが報じるなか、メジャーリーグ機構は日本時間4月8日、公式の声明文を発表して「決定はしておらず、詳細なプランにも発展していない」と一部での開幕楽観論を牽制した。新型コロナウイルスの感染は依然としてアメリカ国内で拡大を続けており、メジャーリーグ機構は「従業員や選手、ファン、そして社会全体の健康と安全が最重要である」と強調している。

メジャーリーグ機構は「社会全体の健康状況が改善し、レギュラーシーズンを安全に開始できるという判断になった際にスタートできるよう、現在も多くのプランを検討している」ことを明らかにし、すでに各メディアが報じている通り、「1つの場所で試合を開催することも選択肢の1つとして議論している」とした。しかし、このアリゾナ開催のプランについては「決定はしておらず、詳細なプランにも発展していない」と述べており、現時点ではあくまでも選択肢の1つに過ぎないようだ。

また、メジャーリーグ機構は、政府や公的な保健機関と定期的に連絡を取り合っているものの、「いずれのプランについても国家や州、地方の機関や選手会からの認可は得ておらず、現時点では認可を求める動きもしていない」ことを明言。あくまでも「従業員や選手、ファン、そして社会全体の健康と安全が最重要である」ことを強調した。そして、「新型コロナウイルスにより社会全体の健康状況が急速に変化するなか、現時点では、試合の開催について特定のフォーマットを支持する準備は整っていない」と慎重な姿勢を示した。

「必要な対策を講じたうえで、早ければ5月にもキャンプを再開してレギュラーシーズンがスタートする可能性がある」と各メディアが報じたため、2020年のレギュラーシーズン開幕に向けて楽観論が広がりつつあったが、今回の公式声明文はそれを牽制するものであると言えそうだ。

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