史上初の「緊急事態宣言」で変わり果てた新宿・歌舞伎町 新宿駅では3密は避けられない 安倍総理、小池都知事は都民・国民の生活を把握しているのか

緊急事態宣言の安倍総理

史上初の事態が起こりました。

2020年4月7日、夜、安倍晋三総理から「緊急事態宣言」が発令されました。新型コロナウィルスの世界的蔓延。そして日本国内の深刻な感染者の増加、特に人口密度が高い東京都は4月で1000人を超えてしまいました。安倍総理は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県に対して「緊急事態」を宣言しました。

その夜、日本一の繁華街、「眠らない街」と言われる新宿・歌舞伎町とその周辺の街を歩いてみました。

歌舞伎町は靖国通り、職安通り、小滝橋通り、明治通りの4つの幹線道路に囲まれた街です。

まず小滝橋通り。小池都知事が休業要請した業種の中に入っていいるカラオケはどうでしょう。「カラオケ館」は灯りが消えていました。が、その近辺のカラオケ店、「カラオケの鉄人」は営業。隣の「カラオケまねきねこ」は休業。まちまちです。

すぐ側に大ガード下があります。隣接しているのが「思い出横丁」。前まで「しょんべん横丁」と言われていましたが観光客が増えれにつれ、お洒落な名前にしました。観光客の名所だったこの町も写真のとおり閑散としていました。

そこから新宿駅に通じています。構内に入るとラッシュ、というほどの人混みではないものの、「三密」であるとは思いました。

電車を待っている客の間隔はせいぜい1m。テレビ朝日のワイドショーのコメンテーター玉川徹さんが「スーパーでレジ待ちの際、後ろのお客にもう少し離れてくださいと言った」という主旨の発言をしていました。ポルシェ通勤の人だなあと思いました。通勤電車待ちをしてみてください。とても「もっと離れて下さい」などという余裕はないのです。小池都知事も「2m離れて」というのが現実的なのかを理解して頂きたいものです。2m離れるような指示・政策を提示すべきでしょう。

横丁を抜けると新宿駅東口アルタ前に出ます。

アルタのスクリーンには小池都知事、そして安倍総理の会見が放映されていました。写メを撮っている人がいましたが、大部分の人は(と言っても少ないですが)無関心。どこか不明ですが政治団体が「あ・べ・は・や・め・ろ」とリズムを取ってシュプレヒコールをあげていました。

そこから靖国通りに出ます。通りを渡ったら歌舞伎町です。歌舞伎町に入ると店は結構開いていました。歌舞伎町の中と外ではかなり違うように感じました。

ゴールデン街に入ってみます。区役所通りからも靖国通りからも行けます。記者、ライター、劇団員、作家など一時はサブカルチャーの聖地であり、青線跡として日本で一番有名な飲み屋街にほとんど人がいませんでした。ラグビーワールドカップの時の写真も載せますので比較してみてください。もちろん夜8時という早い時間だった事もあるでしょうが。

ゴールデン街を出ると、歌舞伎町の象徴の一つ、風林会館が見えてきます。ここは待ち合わせのメッカであると同時に喫茶店はヤクザの会議所として有名です。パッと見たところ喫茶店にも人は入っていませんでした。

区役所通りを下ると歌舞伎町の中心地なのですが、車がすいすいと走れるほど空いていました。

区役所通りから花道通りを左に曲がると、ホテルグレイスリー新宿が見えます。が、客室は写真の通り、ほとんど灯りがついていません。

途中、UberEatsが走っていました。デリバリー業界はまだ大丈夫なのでしょうか。

途中、左を曲がると「I♡歌舞伎町」の看板。向かいに東宝シネマがあります。普段なら人がわらわらと集まっているのですが、ご覧の通り人影がポツン。

そのまま駅の方へ靖国通りに向かいます。ここも待ち合わせのメッカ、ドン・キホーテ。人影はまばら。店に入るとマスクが売っているではないですか。さすがドンキ。

さて、そこからスタート地点、小滝橋通りに戻る途中、歌舞伎町一番街の看板。普段はここは歌舞伎町の中でも「歌舞伎町は苦手」という人も入りやすいチェーン店が多いため人通りが多いのですが、閑散としています。

小滝橋通りまで戻るのに、ガード下を通るのですが、ここはホームレスの人がよき寝ている場所です。今日もいました。こういう人たちも都としても国としてもフォローすべきでしょう。

小滝橋通りに戻りました。ふと見上げると新宿副都心。そこの高層ビル群にはまだ窓から明かりがついています。すなわちまだ働ていている人がいるという事です。彼ら、彼女らは新宿駅から帰宅するのでしょう。そして構内、電車内の3密に耐えて、家路に着くわけです。

「3密を避けろ」「家にいてください」「人との間隔は2mあけろ」。これは、声掛けだけでは無理でしょう、安倍総理、小池都知事。このリポートはあくまで新宿・歌舞伎町だけの話です。すなわち東京都4大都市と言われているのが新宿、渋谷、六本木、池袋です。他の3都市の状況を想像すると「3密」の割合はかなり高いと推測できます。1か月で果たして、この騒動が収束するのか。補償もハッキリとしない中、はなはだ不安です。

因みに歌舞伎町でテレビ取材陣がちらほら見かけましたが、スタッフが密接している上にマスク外しちゃっていました。気を付けてください。(文・写真◎久田将義)

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