本書は人文学者と国語教師の二人が、 東洋・西洋の古典や賢者たちの言葉をもとに、 話し上手とはどういうことか、 話がうまくなるにはどうすべきかについて解説した一冊。
実は世界的人気を誇るアイドルグループBTS(防弾少年団)のメンバーであるV(ブイ)が愛読していた本として知られており、 2018年の発売以降、 韓国ではベストセラーリスト入りした。
本書の構成は、 1章〈修養〉、 2章〈観点〉、 3章〈知性〉、 4章〈創意工夫〉で言葉を口にする前の準備と習得の段階を解説。 5章〈傾聴〉では聞き方を学び、 6章〈質問〉では話し方を扱う。 さらに7章〈話術〉では具体的な話し方の原則を学び、 最終段階の8章〈自由〉では、 それまでに学んだ話術を実践に移し、 より良い生き方へと踏み出すための方法を考える。 〈実践〉の章では、 偉人たちの歴史に残る会話の中から良い話し方の実例を挙げ、 私たちの知恵を授けてくれる。
また「おわりに」には、 著者がBTSに触れた謝辞の内容を特別に寄せている。 日本版だけの特別な「おわりに」も合わせて楽しもう。 本書を読めば、 自分自身の言葉の器が広がるはずだ。
本書で紹介する項目の一部
善を思わず悪を思わず、 善悪に二分することなく見よ(慧能)
人生の主人公は自分だ(瑞巌禅師)
一人ひとりの人生は一個の「作品」だ(ミシェル・フーコー)
観察してこそ知ることができる(釈迦)
洞察力を磨くことこそが重要である(孔子)
「切に問う」ことが変化への第一歩だ(子夏)
心よりも重要なのが知性である(バガヴァッド・ギーター)
言葉の中に閉じ込められてはならない(ヴァージニア・ウルフ)
心が変わってこそパラダイムも変わる(トーマス・クーン)
知っているふりをすることほど大きな無知はない(ソクラテス)
戦略は使ってもいいが、 嘘はつくな(韓非子)
言葉づかいと話の中身は一致しない(老子)