排水管逆流時は水門「全閉」に 川崎市検証委が最終報告

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水が路面に噴き出し、辺り一帯が冠水した武蔵小杉駅東口付近=2019年10月

 昨秋の台風19号による浸水被害を巡り、原因究明や対策の検討を進めてきた川崎市の検証委員会は8日、最終報告をまとめた。多摩川の水が排水管を逆流して市街地にあふれ出た今回のケースを教訓に、排水管の水門の操作手順を改定。今後は逆流が確認された場合には全閉するとした。逆流を即座に把握するため、今夏までに排水管内に水位、水流計などの観測機器を設置する方針も盛り込まれた。

 従来の操作手順では、降雨の恐れがある場合は「全開の維持」を基本姿勢としてきた。市街地に降った雨水を排出しきれなくなる内水氾濫を防止するためという。市民からは、水門を閉めなかったことが浸水被害を広げたとして、市の判断に批判が出ていた。

 最終報告では、市内5カ所の排水管で逆流現象が起きたことを重視。第三者の専門家の意見も踏まえ、逆流防止を優先とした操作手順に改めるとした。専門家は「内水排除を担う立場からは従来の操作手順は仕方ない部分もあるが、今回のような極めてまれな多摩川の高水位も考慮して操作手順を見直すべきだ」と検証委に提言したという。

 報告ではこのほか、一部の被災者が市の責任を追及して支払いを求めている補償について、難しいとの考えも示した。今回の浸水被害は市の想定以上に多摩川の水位が上昇したことに起因し、市の対応に瑕疵(かし)がないことを理由に挙げた。

 検証委員長を務めた藤倉茂起副市長は「これまで多摩川からの逆流は経験がなく、水門操作も前例に従ってきたが、さまざまな意見を受け、私たちも反省している。水門の開閉は内水氾濫の危険と表裏一体なので今後の操作手順について、市民に丁寧に説明していきたい」と話した。