飲食店にもコロナショック…海外の補償状況は?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月2日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、著述家の北条かやさんが新型コロナウイルスの影響による“飲食店の窮地”について述べました。

◆飲食店の現状は……

週末の外出自粛が始まった3月28日、都内の繁華街や観光スポットは店や施設の休業が相次ぎ、人の往来が大幅減。新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増えることを警戒する小池知事らの呼びかけに、首都は厳戒ムードに包まれました。

北条さんは先日、全国の飲食店をまとめている協会に取材した際、「非常に大変な状況」という話を聞いたそう。事実、2月後半から外国人観光客が激減。特に昨今インバウンドの3割を占める中国人観光客がほぼゼロになり、最初は北海道地区が打撃を受け、売上7割減という店舗もあったとか。

そして、3月になると首都で自粛ムードが徐々に高まり、ショッピングセンターなどが自主的に営業時間を短縮し、テナントの売上がみるみる減少。後半には多くの会社で"飲み会禁止”となり、宴会がキャンセル。さらには夜間の外出自粛が打ち出され、比較的持ちこたえていた居酒屋やバーも大打撃を受けているそう。

全国の飲食店の3月の売上は、約5割も減るのではないかと言われているとか。飲食店は99%が中小零細企業で経営基盤が弱く、賃料や人件費などは売上が入る前提で経営している店舗がほとんど。それだけに「多くの店が2ヵ月で資金がショートすると言われている」と北条さん。3月から売上が減少した場合、「5月にはたくさんの飲食店が倒産する恐れがある」と危惧します。

現状、政府から補助金の話も挙がっていますが、北条さんは「まだ予算案も成立していないので、5月ぐらいまでは出ない」と言い、今すぐ必要だと主張します。

◆海外の補償状況は?

一方、「とにかく対応が早かった」というイギリスでは、休業中の労働者の賃金8割を3ヵ月補償。フランスは100%補償することで店舗に休業を促し、従うと即時支援金として店舗は約18万円程度もらえるとか。

そして、ドイツは従業員5人以下の事業者に3ヵ月分の資金、約100万円を一括支給。さらにはリーマンショックを比較的早く乗りきった秘訣「クルツアルバイト」(時短勤務)を活用。これはみんなの労働時間を短縮し、減った分の賃金は国と企業が補償するというもので、「パンデミックを乗り切るモデルとして、これは非常に参考になる」と北条さん。

このように欧米諸国ではスピード感を持って対応していますが、日本はまだまだ。厳しいのは飲食店だけではないという声もありますが、北条さんは「飲食店は特に経営基盤が弱く、まずはそういった弱いところから倒産が増えるタイミングが5月。どうしていくか考えないといけない」と警鐘を鳴らします。

ちなみに、飲食チェーン全体で少しずつお金を出し合う動きもできかけているそう。これはBSE問題のときにも見られ、当時潰れかけたチェーンがこの仕組みで救われたとか。そういった過去の実績があるだけに、北条さんは「できないはずはないんですよ」と話していました。

矢野経済研究所 社長の水越孝さんは、1つの対策として「グローバル大企業は利益剰余金・内部留保の一部、一定額を、ファンドを作って、中小企業の借り入れの信用保証で担保に入れてほしい」と訴えます。さらに、「そのほうが政府の助成金を待つよりも早い気がする」と言い、「経団連はまさに動くべき」と提起していました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

© TOKYO MX