シルクスクリーン印刷を得意とする(株)イズミプロセスほか3社が特別清算開始決定

 2019年12月17日、東京地裁に特別清算を申請していた(株)イズミプロセス(TSR企業コード:430308361、法人番号:7080001007609、静岡市清水区伊佐布1546-9、登記上:港区芝大門1-10-11、設立1979(昭和54)年1月19日、資本金1000万円、代表清算人:福田豊氏)と関連3社は3月31日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。
 申請代理人は朝田規与至弁護士(シティユーワ法律事務所、千代田区丸の内2-2-2、電話03-6212-5500)ほか。
 負債はイズミプロセスが約39億円で、関連会社を含めた4社の負債合計約56億8000万円。

 イズミプロセスは1957年7月創業の老舗印刷業者。シルクスクリーン印刷を得意とし、自動車やオートバイ向けのエンブレムステッカー、機械操作パネル向けなど特殊印刷に強みを持っていた。大型設備の導入により、車両ステッカーや大型看板など広域面積の印刷にも対応し、同業他社では対応困難な小ロット多品種生産が可能な点もセールスポイントとしていた。フィルムメーカーなどに営業基盤を有し、2015年6月期は売上高3億2100万円を計上していた。
 2015年3月に福田氏が代表に就任して以降、M&A戦略を積極的に展開。関東や関西などの中堅企業の買収を進め、ピーク時には全国に10社前後を傘下に収めていた。
 しかし、グループの急激な業容拡大の一方で、買収資金の負担も過大となっていた。また、グループ企業で工場火災が発生するなどのトラブルも発生し経営が悪化。取引先への支払遅延や、銀行口座の凍結、所有不動産が仮差押えを受けるなど資金不足が露呈して信用が低下した。
 2018年12月にはグループ会社の和泉石灰建材(株)(TSR企業コード:570234158、法人番号:4120101000321、堺市)が大阪地裁に民事再生法の適用を申請。イズミプロセスグループは事実上、事業継続が困難となり、以降は一部事業の譲渡や債務整理などを進め2019年12月16日に株主総会の決議により解散していた。

 なお、同時に特別清算開始決定を受けたのは以下の3社。
(株)山陽社(TSR企業コード:290111013、法人番号:6011801008282、さいたま市岩槻区掛586-1、設立1952(昭和27)年12月12日、資本金1000万円、代表清算人:福田豊氏、アルミ製紙器加工、負債総額約3億5000万円)
 

高陽アルミ工業(株)(TSR企業コード:291914411、法人番号:6030001019650、同所、設立1965(昭和40)年6月15日、資本金1000万円、代表清算人:同氏、アルミ製品加工、負債総額約11億3000万円)

(株)東西製作所(TSR企業コード:570572355、法人番号:4140001041208、兵庫県丹波市市島町中竹田393-1、設立1971(昭和46)年4月10日、資本金3000万円、代表清算人:同氏、アルミ製品加工、負債総額約3億円)

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