元カージナルス・ハミルトン 医師としてウイルスとの戦いへ

2010~2011年にカージナルスでプレイした元一塁手のマーク・ハミルトン(35歳)は、日本時間4月11日に予定より1ヶ月早くドナルド・アンド・バーバラ・ザッカー医科大学を卒業し、医師として新型コロナウイルスとの戦いに挑むことになった。ハミルトンは、「ハミルトン医師」として感染拡大の中心地となっているニューヨークの病院に配属されることが決まっているようだ。

ハミルトンは、新型コロナウイルスの影響により、予定よりも1ヶ月早く、オンラインでの卒業式で医科大学を卒業することになった。当初は6月に「医師1年生」としての生活をスタートする予定だったが、すでに新型コロナウイルスとの戦いが続くニューヨークの病院に配属されることが決定。配属地の病院の患者の大半は、新型コロナウイルスの感染者であるという。

ハミルトンは「大学は卒業を早めたけど、最低限の準備は整えられるようにしてくれた」と話しており、医科大学を卒業してすぐ病院に配属されることに対応する態勢は整っているようだ。妻ローレンのほか、9歳と6歳の娘2人と一緒に暮らすハミルトンだが、「感染拡大が止まる気配はない。減速しているかもしれないけど、止まっていない。患者のために僕にできる最大限を尽くすよ」と医者としての使命を口にした。

2006年のドラフトでカージナルスから全体76位指名を受けたハミルトンは、確実性、パンチ力、選球眼を兼ね備えた好打者として着実にマイナーの階段を上り、2010年にメジャーデビューして9試合に出場。翌2011年は自己最多の38試合に出場したが、メジャーでプレイしたのはこの年が最後だった。2012年はカージナルス、2013年はレッドソックス、2014年はブレーブスのマイナーでプレイし、2014年7月に解雇された時点で医師の道を目指すことを決めた。

ハミルトンによると、30歳になるまでにメジャーに定着できなければ、プロ野球選手としてのキャリアに区切りをつけ、医師の道を歩むことを決めていたという。2011年にワールドシリーズを制したチームの一員としてチャンピオンリングを受け取っているハミルトンだが、今度は医師としてウイルスとの戦いに挑む。

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