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神奈川県の黒岩祐治知事は10日、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言を受け、県内の遊興施設や大学、劇場などに休業を要請すると発表した。これまでは事業者への国の補償がない状況で休業要請はできないとしてきたが、東京都が要請に踏み切ったことを受けて一転。「都と全く同じにそろえたい」と急きょ方針を転換した。期間は11日午前0時から5月6日まで。
休業要請の対象としたのは、学習塾、スポーツクラブやゲームセンターなど運動・遊戯施設、集会・展示施設、生活必需品以外を扱う商業施設など6業態。対象に含めたインターネットカフェの長期利用者は、県立武道館(横浜市港北区)で受け入れるとした。
知事はこれまで、補償を伴わない休業要請に否定的だった。方針を一転させたことについて「いろいろ悩んだ。都と県は一体だ」と説明。対象店舗が東京と神奈川で異なる場合を想定し、「神奈川に客がどっと押し寄せ、密集・密閉・密接を避けられない可能性がある」と述べ、歩調を合わせたことに理解を求めた。
休業要請に応じた事業者への「協力金」は、今後検討するとした。県内の対象店舗数や総額は「全然分からない」としながらも、政府が自治体向けに創設する1兆円の臨時交付金に言及。「どこまで活用できるか研究していきたい」と述べた。
臨時交付金の活用について、菅義偉官房長官(衆院2区)は10日の会見で、可否を調整していると説明。「いわゆる『協力金』を含め各自治体が予定する使途の内容も踏まえる必要がある」とし、「関係省庁で検討中だ」と述べた。
ただ、西村康稔経済再生担当相は「休業補償や損失補償に使うことは交付金の趣旨に反する」と言明。その上で、「地域の中小零細企業をしっかり応援していくことには使えるようにしていきたい」と述べた。
関係者によると、臨時交付金の活用を巡っては、9日夜の政府と全国知事会とのテレビ会議でも西村氏から言及があり、「経済を支えるということなら地方の判断」などと説明があったという。