先頭打者アーチが最多の選手は? イチローは37本で8位

リードオフマンの仕事は出塁してチャンスを作ることだが、ひと振りでチームに得点をもたらすこともできる。1999年にメジャー全体の先頭打者アーチの本数が初めて3ケタ(ちょうど100本)になったが、近年は本塁打増加の波に乗って先頭打者アーチも増加傾向にあり、直近4シーズンが歴代1位から4位までを独占している(歴代最多は昨年の193本)。メジャーリーグ公式サイトのジェイソン・カターニアは、通算での先頭打者アーチの本数が多い選手を特集する記事を公開。なお、本数のカウント対象はレギュラーシーズンの試合のみとなっている。

歴代断トツとなる81本もの先頭打者アーチを放ったのは、「世界の盗塁王」として知られるリッキー・ヘンダーソンだ。自己最多タイの28本塁打を放った1986年には9本の先頭打者アーチを放っている。ヘンダーソンの特徴は、キャリアを通してリードオフマンを務めたことであり、通算13346打席に立っているにも関わらず、1番以外の打順は全て通算100打席未満(次点は9番の81打席)。また、メジャー初本塁打と最終本塁打も先頭打者アーチであり、20歳から44歳まで25年連続で1本以上の先頭打者アーチを記録した。

2位には日本プロ野球の広島東洋カープでもプレイ経験があるアルフォンゾ・ソリアーノが54本でランクイン。2003年に記録した13本の先頭打者アーチはメジャー記録となっており、2006年に9本、2007年にも12本を放っている。ちなみに、通算412本塁打は先頭打者アーチの通算本数トップ10に名を連ねている選手のなかで最多の数字である。

3位はクレイグ・ビジオの53本、4位は昨季限りで現役を引退したイアン・キンズラーの48本、5位は同じく昨季限りで引退したカーティス・グランダーソンの47本、6位はジミー・ロリンズの46本となっており、7位にはブレイディ・アンダーソンが登場。アンダーソンは1996年に50本塁打と突如爆発し、同年4月には4試合連続先頭打者アーチのメジャー記録を樹立。1999年と2000年には2年連続で7本の先頭打者アーチを放ち、通算44本を記録した。

そして、8位にはイチローが37本でランクイン。キンズラー、グランダーソンとともに昨季が現役ラストイヤーとなったイチローは、シーズン本数では2002年と2005年の5本が最多だが、これは現在もマリナーズの球団記録となっている。もちろん通算37本も球団記録であり、その他の選手は5本以下という状況だ。

現役選手では、チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)とジョージ・スプリンガー(アストロズ)がともに36本で9位タイ。ブラックモンは、2016年に球団記録となる10本を放ち、2015年、2017年、2019年にも各6本を記録。スプリンガーは昨年12本でソリアーノのメジャー記録に迫り、2016年に8本、2017年に9本を放つなど、ハイペースで先頭打者アーチを量産している。

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