入院や外来抑制 長崎大病院 感染拡大、重症者へ備え

 長崎大学病院の中尾一彦病院長は10日、新型コロナウイルスの感染拡大や重症患者の受け入れに備え、一般の入院や外来診療を10~25%程度減らし、医療スタッフの受け入れ態勢を整えていることを明らかにした。
 長崎大の定例会見で明らかにした。同病院によると、新型コロナウイルスによる重い肺炎患者の治療に使う人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を4台導入。1台稼働するのに10人近いスタッフが必要で、3台稼働すると、医師らが不足し、高度な移植手術や心臓血管外科手術に影響が出るという。
 このため3月16日から、外来患者を減らすため電話診療を増やした。急を要しない入院や手術は待ってもらい、病床稼働率は72~74%程度になり、入院患者は10~15%程度減ったという。
 中尾病院長は「感染患者が増加したときは軽症者は他の施設にお願いし、重症化した患者を受け入れる態勢を整えたい」と述べた。
 長崎大の河野茂学長は感染防止策として、学生のボランティア活動や学生団体の課外活動、緊急事態宣言の対象地域への就職活動を禁止していることなどを報告した。

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