ルノーF1、英国ファクトリーの従業員大多数を一時帰休に

 ルノー・スポール・レーシングは、コロナウイルス危機による経済的影響を軽減するために、イギリス・エンストンのシャシー部門のファクトリーで勤務するスタッフの大半を一時帰休させることを発表した。

 パンデミックによりF1シーズンスタートの目途が立たず、これまでマクラーレン、レーシングポイント、ウイリアムズが、チームと従業員を守るため、従業員の一時帰休を行うことを決めた。イギリス政府は、従業員を解雇することなく休暇扱いでその雇用を維持した企業に対し、給与の最大80パーセント(最大月2500ポンド=約33万円)を支給すると発表している。英国に本拠を置く上記3チームはこれを利用することを決め、ルノーは10日、同様の行動に踏み切ることを明らかにした。

 ルノーは、FIAが定めたファクトリー閉鎖期間を3月30日から5月3日に定めるとした上で、以下のような対策をとることを発表した。

「ルノー・スポール・レーシングは、遡及的にイギリス政府による雇用維持制度へ申請を行うことを決定した」とチームは金曜日の声明で述べている。

「4月1日付けで、エンストンのスタッフの大半は5月31日まで事実上の完全なシャットダウン(一時帰休)に入ることになる。これは状況の変化によって見直される」

「また、すべてのチームメンバーの実際の給与支払いを最低80パーセント保証するため、政府により割り当てられた金額を上限まで利用することで合意した」

「経営陣を含む、就業を続けるスタッフの給与は、同じ割合で削減されることになる」

2020年F1オーストラリアGP水曜:ルノーR.S.20の正式カラー発表会

 ビリー-シャティヨンのエンジン部門に関してルノーは、4月6日から暫定的に12週間、もしくは5月31日まで、パートタイムのスケジュールを導入することになるという。

「この期間は状況の進展によって短縮されたり延長されたりすることになるだろう」とルノーは付け加えた。

「この決定は従業員代表との協議により決定され、会社と従業員を守るための連帯協定によって支持されている」

「フォーミュラEやカスタマー・レーシングなど、FIAによるシャットダウンでカバーされない活動については、健康状態や会社のニーズに応じて再開される」

 ルノーF1チームのマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、現在の状況によって中期的な将来が不明確になっていることを認めた。

「我々が直面している非常に難しい人的および衛生面の状況があり、フランスとイギリスでは厳格なロックダウンが行われている。またほとんどのグランプリ開催国では、我々がF1における影響を評価することをまだ許可していない」とアビテブールは語った。

「したがって我々に可能な手段のすべてを使い、この長引く不明確な時期を乗り越え、活動を控えることにベストを尽くし、4年間かけて構築してきた我々のチーム全体を守る」

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