ランボルギーニが運河にブクブクブク… 約8000万円の車がオシャカになっても“冷静だった”運転手 人には言えなかった事故の原因は……

画像はFacebookより

運河に沈んだオレンジ色のランボルギーニ。濁った水面に車体の上半分だけ姿を見せ、マフラーからは排気ガスが泡となってブクブクと出ていますが、水陸両用のボンドカーではもちろんありません。

この珍事は3月31日にタイのパトゥムタニー県で起きました。目撃者の話によると、運河沿いの直線道路を走ってきたランボルギーニが突如向きを変えて運河に転落したと言います。

このオレンジ色のランボルギーニは毎日のようにこの道路を走っていたことから近隣住民はよく覚えていて、いつもとくにスピードを出しすぎるような走り方はしていなかったとのことです。

運河に突っ込んだ直後、運転していた男性(40)はエンジンも止めずにすぐ自力で車から脱出し、泥水の中を泳いで岸にたどり着きました。胸を打ったようで直ちにバイクタクシーに乗って病院へ向かったのでした。

病院から現場へ戻ってきた男性がマスコミに説明したところによると、ランボルギーニの価格は2千4百万バーツ(約8千万円)。走行していたところ突然目の前に車が現れたために避けようとして運河に落ちてしまったとのことでした。それにしては男性の言葉からは高級スーパーカーを台無しにした相手の車の運転手に対する怒りが微塵も感じられません。

地図で確認すると、ランボルギーニが運河に落下した地点の周辺にはこの道路への合流は全くなく見晴らしの良い直線道路です。100メートル先の左手に橋がありますが、橋を渡って右折してきた車を避けたにしては距離がありすぎます。

多くの証言を当たったところ、男性を病院に送り届けたバイクタクシー運転手男性(47)の話に辿り着きました。男性は彼に運転中に物を落としたので身をかがめて拾い顔を上げたところハンドル操作を誤って運河に突っ込んだと語ったというのです。

しかもバイクタクシーにまず自宅に送らせて濡れた服を着替えてから病院まで向かわせたという冷静さ。男性は病院から現場に戻ると、連絡した保険会社の手配した業者がウインチでランボルギーニを引き揚げる作業を見守りました。泥だらけの変わり果てた姿になったランボルギーニはキャリアカーに積まれて運ばれていったのでした。

マスコミには自分の運転ミスでお釈迦にしたとは恥ずかしくて言えなかったのかもしれません。男性が次はどんな車を購入するのか知りたい気もします。(文◎赤熊賢)

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