山路の彩り 山野草フォトグラフ

春になると「カタクリ」が呼んでいる

桜の季節が終わる頃、琵琶湖の周りの里山では春の山野草がいっせいに咲き始める。中でもユリ科多年草のカタクリは、特徴のある紫斑点模様の緑の二葉から長い花柄を出し、紅紫色の可憐な六弁の花を開く。出会ったときの喜びは言葉では言い尽くせない。朝夕は閉じて陽が当たると開き、徐々に色が薄くなり、一週間くらいで咲き終わる。

 四月初旬になるとマキノ町石庭、五月は鈴鹿藤原岳、御池、マキノ赤坂山、伊吹北尾根で多く見られる。近年は鹿等の食害、また人間の盗掘により自生地が減少しており大事にしたい。

撮影時期/四月中旬~五月中旬

高山では六月初旬

マキノ高原赤坂山

西山 邦雄(にしやま くにお) アマチュアカメラマン
山岳写真の会 白い峰会員・日本高山植物保護協会 会員

1948年滋賀県生まれ。15歳の頃より登山を始め、30歳を過ぎてから山岳風景や様々な高山植物を撮影するようになる。環境の変化などで自生が危惧される高山植物の保護活動にも加わる。

■情報誌「自悠時間」掲載2014年3月

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