エスムラルダ・成田全「おしんナイト 2020」- 「おしんナイト」開催は「今しかない!」という思いから

「おしんナイト」開催は「今しかない!」という思いから

——お二人の『おしん』との出会いを教えてください。リアルタイム世代ではないですよね?

エスムラルダ(以下エスム):いえいえ、二人ともリアルタイム世代です!(笑) 私は小学校6年生のときで、その2年前に放送された大河ドラマ『おんな太閤記』で橋田壽賀子ドラマにハマり、続いて『おしん』にも夢中になりました。それで当時もらっていたお小遣い8か月分をはたいて、シナリオ集全4巻を揃えました。

成田:橋田先生にハマる小学4年生って、ちょっとどうかと思うよね(笑)。僕は1983年のリアルタイムでの視聴可能世代ではあるのですが、その時は見ていないんです。初めて見たのは2003年の本放送20周年記念再放送で、30周年の2013年で全話録画して、時々見返していました。

——初回は立ち見の大盛況、2回目のチケットも即完売となった「おしんナイト 2020」(6月20日に開催延期中)ですが、どのようにイベント開催をすることになったのでしょうか?

成田:もともとはエスムさんと会うたびに、橋田先生と『おしん』の凄さについて話していたんだよね。

エスムそうそう。成田さんは、私が橋田先生と『おしん』フリークであることを知っていて、以前からドラマの素晴らしさについていつも話していたんですよ。それで2019年の4月から「連続テレビ小説100作記念」で再放送が始まって、いろんな方々の感想ツイートについて語り合ううち、「これは、需要があるのではないか」「イベントをするべきではないか」という話になって。

成田:ツイッターのハッシュタグで「おしんチャレンジ」が出来ていたりね。それを覗いてみたら、初めて見る方たちの「この先どうなるの?」「演者がすごい!」「壽賀子、鬼!」みたいな盛り上がりや反応が面白くて(笑)。「こういう見方もあるのか」という気づきもあったりして、これは「『おしん』でトークをやったら面白いかもね? 今しか話すタイミングないよね、やっちゃう?」という結構軽いノリでした(笑)。

——実際イベントを開催されて、いかがでした?

エスム最初は当日までチケットが残っていて、どうなるかと思ったけど、蓋を開けてみれば超満員! お客さんの熱量がとにかくすごかった!

成田:私は普段裏方の人間で、人前で話す機会がないので、もうなんだかわけがわからない内に終わってました(笑)。そして『おしん』に庄治役で出演されていた吉岡祐一さんをお迎えしたことで、会場の盛り上がりが凄くて。

エスム吉岡さん、本当によく出てくださったよね。ありがとうございました!

——お二人が「おしんファン」だと気づいたきっかけが気になります!

成田:雑誌の企画で、連続ドラマについての取材でお話を伺ったことがきっかけでエスムさんと仲良くなったんです。エスムさんが橋田先生と『おしん』を好きなのは以前から存じていたので、「これは!」と(笑)。『おしん』ってドラマとして知ってる人はいても、全話を見ていて、内容を話せる人は案外少ないんですよ。

改めて『おしん』人気の根強さを感じた

——「おしんナイト 2019」では、お土産で膨大な年表や人物相関図を作成されて、お客さまがとても喜ばれていましたが、あの量を作成するのはとても大変だったのでは……

エスムすべては成田さんのお力です!

成田:はい、私がすべて勝手にやりました!(笑) 職業柄、調べ物などは好きなのでつい時間を忘れて作成したり、デザイナーさんに負担をかけたり……うっかり本気を出してしまった、という感じですかね。今回も前回の続きの年表と、完全版の人物相関図をお土産でお渡ししますので、楽しみにしていてください。

——再放送が盛り上がり、「#おしん」や「#おしんチャレンジ」というタグが流行っていたのはツイッターを見て感じていましたが、ここまで人気イベントになることは予想されていましたか?

成田:いやもう全然。『おしん』のことを心置きなく話せる場になればいいね、ということくらいで。実際「おしんナイト 2019」は当日までチケットが売れ残っていて、どうなるかな……と不安で。でも当日に予想以上の方がいらして、立ち見になってしまい……申し訳ありませんでした。

エスム需要はあるだろうなと思っていましたけど、改めて『おしん』人気の根強さを感じましたね。

——ロフトプロジェクトの事務所にも多数のおしんファンがいます。なぜ今『おしん』が再び人気となったと思いますか?

エスムとにかく脚本や役者さんたちの演技が素晴らしい! 1分、いや1秒たりとも無駄なシーンがない濃密さに、人々がやられたのだと思いますね。最近の朝ドラは無駄が多くて……(苦笑)。

成田:それ言い出すと、話が長くなるよね(笑)。『おしん』は、やはり物語の持つ力でしょうね。実在していない人物なのに、本当にいたかのような気分になるほど緻密に描かれた作品だし、教科書でしか知らなかった歴史上の出来事も盛り込まれていて、とにかく展開がダイナミックなので一度見るとグイグイ引き込まれてしまいますからね。そして出演者の皆さんの演技がもうホントすごい!

——答えが難しいとは思いますが……一番好きなエピソードや何度も見返した回などがあれば教えていただきたいです。

エスム私は、酒田で飯屋をやっていたおしんが、いちゃもんをつけにきた輩に「お控えなすって!」と仁義を切ってみせるシーン!

成田:エスムさん、あのシーン好きだよねぇ(笑)。私は「おしんナイト 2020」で話しますね!

——楽しみにしています! そして前回特別メニューだった「大根飯」が大人気で、ネイキッドロフトの炊飯器がフル稼働となりました。

成田:不味いかもしれないので、数量限定でお出ししたんですが、まさかの追加炊飯、そして美味しいという(笑)。

エスム思いの外、甘くて美味しかったよね。おそらく当時は、こんないい米や大根ではなかっただろうと……(笑)。

成田:炊飯器も進化しているしね。「おしんナイト 2020」では前回よりも大根を増やして、谷村家の不味さを追求しますので、お楽しみに!

6月20日開催の「おしんナイト 2020」をお楽しみに!

——イベントが終わってもお客さんがたくさん残られて、お客さま同士でも楽しそうにお話しされている光景が見られました。イベントに関して印象に残っていることはありますか?

エスム吉岡さんから、あの場でしか聞けないお話が聞けたのがよかったですね。成田さんの「庄治はクズですが」という質問に、吉岡さんが「庄治はクズじゃないですよ」とおっしゃったところに、「真の役者さんは素晴らしい」と思いました。

成田:地方の農家の長男の受難話は、本当に胸に沁みたね……。吉岡さんの語る撮影当時の思い出や現場でのお話、そして実際に地元熊本での出来事など、僕らの知らない、でも実際にあった「おしんの世界」、歴史という観点からもすごい話でしたね。勇気を出して質問してよかった!(笑) あとはお客さん同士の交流というのも「おしんナイト」を企画した目的のひとつだったので、嬉しかったですね。僕は身近にエスムさんがいるので「あれって……」とすぐに話せるんですけど、そういう方が周りにいない方は多いはずで、交流の場を提供できたのは本当に良かったです。

——では最後に、6月20日の「おしんナイト 2020」に向けて、メッセージをお願いいたします。

成田:新型コロナウイルスの世界的流行、そして自粛要請で、『おしん』放送後すぐのタイミングから急遽延期することになって、チケットをお買い上げいただいた皆様には大変ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。お待たせする代わり、と言ってはなんですが、6月はより一層楽しんでいただけるよう、エスムさんと相談していますので、乞うご期待です。

エスム本当にね! そして最終回の放送から少し間が空いてしまいましたが、皆さんの中の『おしん』熱が再燃するくらい、充実したイベントにしたいと思っています!

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