支援物資に添えられた、日中間の心温まるメッセージ

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月3日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、早稲田大学非常勤講師の段文凝さんが“日本と中国の支援による交流”を紹介しました。

◆中国から769倍ものマスクが届く

3月末、「北九州がんばれ! 日本がんばれ!」というメッセージが添えられたマスク20万枚が北九州市に届きました。送り主は友好都市の中国・大連市。北九州市は、中国各地で新型コロナウイルスが広まった2月初めにマスク260枚と防護服70セットを大連市に送り支援。今回、そのお礼として20万枚のマスクが無償で提供されました。

北九州市の他にも、大阪・枚方市が1月末に上海に支援物資を送付。その段ボールの中には「山川異域 風月同天」という1,000年以上前に作られた中国の漢詩が添えられていたそう。これは、"たとえ住んでいる場所は違っても、私たちは同じ空を見ていますよ”という意味で、要は「離れていても心は1つでつながっていて、私とあなたは仲間同士ですよっていう感じ」と段さんは解説。そんな枚方市の心づかいが中国のSNS「微博(Weibo)」で大きな話題になったそうです。

中国へのこういった支援はさまざまな自治体が2月、3月も引き続き実施し、「日本の自治体が自分たちのために用意していた貴重なもの、マスクや防護服が中国に届きました」と段さん。そして、それらは中国のメディアでたくさん報道され、「日本ありがとう」というメッセージで溢れていたとか。

その後、中国で新型コロナウイルスが落ち着き、逆に日本でマスク不足が叫ばれるようになった昨今、今度は大連市以外にも江蘇省・無錫市から愛知県・豊川市、浙江省・海寧市から静岡県・小山市など、中国からのお返しがたくさん届いています。

また、その支援物資の中には日本の俳句が添えられたものがあったそう。それは、「春雨や 身をすり寄せて 一つ傘」という夏目漱石が作った俳句で、意味は"傘は1つしかない、だから互いに身を寄せ合い1つの傘に入りましょう”というもの。

そんな日中間のやり取りに、MCの堀潤は「粋ですね~。いいコミュニケーションじゃないですか!」と感心しきり。一方、堀から「涙ぐんでいるじゃないですか」と指摘されたタレントでラジオDJのサッシャさんは、「中国人の友達が欲しい」と切望。これに段さんは、「ありがとうございます。じゃあ私と友達になってください」と声をかける微笑ましい一幕も。

そんななか、段さんは最後に今回のニュースを通して頭に浮かんだという中国のことわざを紹介。それは「滴水之恩,当涌泉相報」。直訳すると、"本当に必要なときに1粒の水をいただいたら、泉のような大量の水をお返しするべき”という意味だそう。

「お互い、この精神ですよね……」と大きく頷く堀は、「本当に今はギスギスしてしまっている」と現状を憂いつつ、「国の政策も含め、日本国籍に限るとかそういうことを言っている場合じゃない。きっちり助け合いを実行していきたい」と話していました。

番組では、視聴者に「1世帯にマスク2枚を配布 あなたの評価は?」というテーマで生投票を実施。結果は以下の通りです。

◆1世帯にマスク2枚を配布 あなたの評価は?
評価する……576票
評価しない……3,489票

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

© TOKYO MX