JAXAとNASA、宇宙マウス飼育システムの共同ミッションを「きぼう」で実施へ

実験用のマウス(イメージ画像)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月14日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」にて、宇宙マウス飼育システムを利用した低重力ミッションをNASAと共同で実施することを発表しました。

宇宙マウス飼育システムとは、宇宙環境にて宇宙飛行士の骨量や筋肉の急速な減少など、加齢に類似した現象の変化に対する重力の影響を調査するため、微小重力や地球の重力(1G)以下に変化させた環境で同時にマウスを飼育できる世界唯一のシステムです。「きぼう」にて2016年から4回の長期飼育ミッションが行われ、”月と同様の重力環境でのマウス飼育”を含む全てのミッションに成功しています。

JAXAはISSの利用成果最大化に向けた日米協力枠組み(Japan-U.S. Open Platform Partnership Program: JP-US OP3)に関して、宇宙マウス飼育システムを用いた低重力ミッションをJAXAとNASAで共同実施することを2020年2月に合意しており、この共同ミッションは2022年頃の実施を目指しています。

ミッションは、0〜1Gの異なる4つの環境でマウスを30日間同時に飼育する計画を予定。この取り込みは、将来の月・火星の有人活動に対する貴重なデータになることが期待されます。

JAXAの宇宙マウス飼育システムを活用した低重力データの蓄積とミッション概要(Credit: JAXA)

Image:Tibor Janosi Mozes@Pixabay
Source: JAXA

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