【新型コロナ】検体取り違え、陽性者を「陰性」に 神奈川県衛生研ミス

検体の取り違えについて謝罪する県衛生研究所の高崎所長(左)ら=15日夜、県庁

 県衛生研究所(茅ケ崎市)は15日、新型コロナウイルスの感染を判別するためのPCR検査で検体を取り違え、誤って陽性患者に「陰性」と通知するミスがあったと発表した。陽性だった県内在住の女性には、正しい結果を通知した上で謝罪。自宅で療養しており、「感染拡大の恐れはない」としている。

 同研究所によると、検査は14日に実施。県内の高齢者施設に入所中の女性と、県内在住の女性の検体が入った直径約1センチのチューブに記入された数字を、検査した職員が読み間違えた。その結果、陰性だった高齢女性に「陽性」、陽性だった女性に「陰性」と結果を通知したという。

 高齢女性が12日から入院していた医療機関から「陽性の検体は別の患者のものではないか」と問い合わせがあり、残った検体を再検査した結果、取り違えが判明。一方、本来陰性だった高齢の女性は15日に別の病気で死亡したが、陽性患者とされていたため家族は臨終に立ち会えなかった。14日は6~8人で80検体を検査していたという。

 同研究所の高崎智彦所長は「(家族が)臨終に立ち会えなかったことは申し訳ない」と謝罪した。

© 株式会社神奈川新聞社