2020年F1に旧有効ポイント制度復活案。コロナによる棄権への救済策で

 マクラーレン・レーシングのCEOザク・ブラウンは、2020年F1シーズンに、過去に用いられていた有効ポイント制を導入することを提唱している。

 新型コロナウイルス感染拡大により、序盤9戦が延期あるいは中止となっており、その後のグランプリも予定どおり開催できるのかどうか不透明な状況だ。

 現状を考えれば、ドライバーズ選手権では1990年まで、コンストラクターズ選手権では1978年まで採用されていた、ある一定数のレースのポイントのみを有効とするシステムを導入する方が、よりフェアな戦いができると、ブラウンは考えている。

 現在は全戦のポイントが有効となっているが、以前はシーズン中の定められたレース数のみがカウントされるシステムが用いられていた。たとえば、ドライバーズ選手権において、1950年には7戦中4戦、1973年には15戦中13戦、1986年には16戦中11戦のベストリザルトのポイントが有効とされた。コンストラクターズ選手権においても、1950年から1978年まで同様のシステムが採用されている。

 マクラーレンは、2020年開幕戦オーストラリア直前の木曜に、チームメンバーのCovid-19感染が発覚したため、グランプリ参戦を取りやめた。結局、オーストラリアGP自体がキャンセルされることが決まったが、そうでなければ、マクラーレンは選手権において大きく遅れをとることとなっていた。ブラウンは、同様の状況が起きる可能性を考えれば、有効ポイント制を導入した方がフェアであると考えている。

2020年F1オーストラリアGP マクラーレンCEOザク・ブラウン

「現状を考えれば、ある程度の犠牲を払う必要があるだろう」とブラウンはSky Sportsに対して語った。

「マクラーレンについていえば、もし自分たちがレースができない状況であれば、私はオーストラリアの時と同様に、チームの棄権を決める。スタッフの安全が何より大事だからだ」

「だが、その場合でも、F1と他のチームが、我々の問題が我々チーム内部に制限されると考え、安全にレースができると判断するなら、私はそれを邪魔するつもりはない」

「そうなれば(マクラーレンにとっては)不運な状況になる。だが、古き良き時代には、数戦がカウントされなかった。それについてF1と協議することができるかもしれない」

「15戦開催するとして、そのうちベストリザルトを挙げた13戦のみをカウントするというやり方だ」

「そういったシステムを取り入れられれば、スポーツの開催を妨げることなく、同時に(棄権せざるを得なくなった)チームが不利になることもない」

 レギュレーションでは選手権公式グランプリには最低14台の参戦が必要とされているため、4チーム以上が棄権した場合、選手権イベントとして成立しないということになる。

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