映画『42』のプロデューサーがコロナ対策に420万ドルを寄付

日本時間4月16日、アメリカではジャッキー・ロビンソン・デー(現地時間15日)を迎えた。メジャーリーグ史上初の黒人選手となったジャッキー・ロビンソンの生涯を描いた映画『42』(邦題は『42~世界を変えた男~』)のプロデューサーであるトーマス・タルが設立した「Tulco」は、医療機関に対して420万ドル(約4億5000万円)分の医療機器を寄付することを発表。全球団で永久欠番となっているロビンソンの背番号「42」にちなんだ金額で、ロビンソンへの敬意を表した。

ロビンソンは球界のカラーバリアを打ち破り、史上初の黒人選手として1947年4月15日にメジャーデビュー。他球団のみならず、チームメイトやファンからも差別を受けるなど、困難な状況でのプレイを強いられたが、それに耐えうる精神力を持つ選手として「黒人メジャーリーガー第1号」に選ばれたロビンソンは、必死にプレイする姿で次第に周囲の意識を変えていき、黒人選手のメジャー入りの道を切り開いていった。『42』はそのロビンソンのキャリアを描いた伝記映画である。

その『42』のプロデューサーであるタルが設立した「Tulco」は、新型コロナウイルスの感染拡大によって被害を受けたアフリカ系アメリカ人のコミュニティやその他のコミュニティへの対応を行っているアメリカ国内の医療機関に対し、防護服やマスクといった医療機器を提供するために420万ドル分の寄付を行うことを発表。もちろん、この金額はロビンソンの背番号「42」にちなんだものである。

新型コロナウイルスに関する情報は依然として限定されているものの、入手可能なデータによると、アフリカ系アメリカ人の犠牲者が多いという。AP通信の報道によると、4月8日の時点で新型コロナウイルスによりアメリカ国内で死亡した人の42%以上が黒人となっている。

ジャッキー・ロビンソン・デーを迎えて球界でも社会支援の動きが広がっており、メジャーデビューから73年が経過した現在でもロビンソンの影響力の大きさが感じられる。

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