【新型コロナ】鎌倉市が独自の家賃補助へ 飲食店などに最大100万円 全国の市で最大規模の支援

中小企業支援策を発表した松尾崇市長=鎌倉市役所

 鎌倉市の松尾崇市長は16日、臨時会見を開き、新型コロナウイルスの影響で苦しむ市内の飲食店などの中小事業者を支援するため、最大100万円を上限に家賃を補助する方針を明らかにした。4月中の受付開始を目指し制度設計を進めており、市長は「鎌倉を拠点とする事業者へスピーディーに届けたい」と強調した。

 国や県の支援や、1カ月分の家賃の8割(上限50万円)を1回支給する方針の福岡市などと比べても手厚い内容で、全国の市では最大規模の支援策とみられる。対象は売上高が前年同月比5%以上減少し、市内で店舗を賃借する中小事業者。家賃相当額として1カ月当たり上限25~50万円を2カ月間支給する。今後のウイルス拡大状況に応じ、期間延長も検討する。

 国の持続化給付金は売上高が前年同月比50%以上減少した事業主が対象。県が休業要請に応じた事業者に支払う協力金は10~30万円。市側は「観光地鎌倉は県内でも家賃が高い。県の補助に上乗せできるよう考えた」と説明し、総額2億円を想定する財源は事業見直しで捻出するほか、ふるさと納税や基金創設、財政調整基金取り崩しなども検討する。

 松尾市長は「国や県の給付金もあるが、安心してお店を休めるようできる限り多くの事業者に、早く受け取ってもらえるよう進めたい」と述べた。

 発表を受けて事業者からは歓迎の声が上がった。大衆食堂「かまくらえびす亭」(同市雪ノ下)では3月から「コロナにカツ!」と書かれたカツ丼を、子どもたちに無料提供するサービスを展開していたが、4月以降は「店を開けた方が赤字」と閉店中。店主の福沢壮介さんは「売り上げが激減しても固定費はかかり、このままでは個人店はつぶれてしまう。支援はとてもありがたい」と期待した。

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