リアルサカつく「沖縄SV」誕生秘話!妙摩COOに聞く、高原との出会い~現在

黄金世代の一人、高原直泰が2015年に創設したスポーツクラブ、沖縄SV(エスファウ)。

このクラブで「COO(Chief Operating Officer/最高執行責任者)」を務める妙摩雅彦(たえま まさひこ)氏は、高原氏と長い時間をともにしてきたパートナーだ。

沖縄SVに関するすべてを知る妙摩氏(左は「沖縄そば まるやす」大野裕香オーナー)。

Qoly×サカつくによる「リアルサカつく」紹介企画第4弾は、沖縄県全域をホームタウンとして活動する九州リーグの沖縄SVを特集。

『サカつく』プロデューサーである宮崎伸周氏とともに、高原氏との“驚きの出会い”から沖縄SVの誕生秘話まで、妙摩氏にいろいろ聞いたぞ。

(取材日:2020年2月25日)

※インタビューは、沖縄SVの“原点”と言える沖縄県うるま市の「沖縄そば まるやす」で行った。その理由は最後に。

はじまりは1999年…

――さっそくですが、妙摩さんの沖縄SVでの役割を教えてください。

ざっくり、何でも屋です。

一応肩書は取締役COOになっていますけど名前だけで、経営はもちろん、営業、人事、練習では球拾いもしますし、朝5時に並んでグラウンドも確保します(笑)。

――そもそも高原さんとの出会いはいつだったんですか?

1999年ですかね。僕が渋谷でサッカーチームを作ったんです。

ただその時はまだメンバーが足りなくて、知り合いに「サッカーできるやついない?」と聞いたら、「あー、いるよ」と。

それで来てもらったのが、高原でした。

――えっ、1999年にですか?(驚)

そうです。ちょうどシドニー五輪の予選をやっていた時で、高原が東京にいて、北千住でフットサルをやるからとホテルまで迎えに行ったんですよ。

顔も分からないので知り合いに電話してもらって、出てきて車に乗せて北千住へ連れて行きました。それでフットサルをやりだしたら、めちゃめちゃ上手い(笑)。

当時はまだ高原を知らなくて、「お前サッカー上手いじゃん。他にもできる仲間いる?」と聞いたら、いると。それで呼んでもらって来たのが、稲本潤一と中田浩二でした(笑)。

フットサルのあとフットサル場のオーナーが彼らにサインを求めていたので、聞いたら前日に予選を戦った選手たちだと。そこで初めて知ってご飯を食べに行って仲良くなった感じです。

もう20年前ですね。当時僕はスタイリストをやっていたので仕事のほうでの絡みもありましたが、プライベートでの接点が多かったです。

即決し、沖縄へ

――沖縄にクラブを作る話はどういった形で出てきたんでしょうか?

もともと、沖縄県には産業としてスポーツを推進していきたいという考えがあったんです。その話を知り合いから聞いて僕が一度沖縄へ行き、持ち帰って高原に「こういう話があるんだけど」と話しました。高原は当時、J3のSC相模原で2年目を迎えていました。

いろいろ話し合ったんですが、その中で「新しいことをやるのであれば、今のままのパワーで行ったほうが面白いよ」と伝えたんです。ただもちろんマイナス面もあって、本当のゼロからやらなくてはいけないので、覚悟は要ると。

そう言ったら、本人は即答でした。「わかりました。それ、やりましょう」と。

返答の期限まで1日か2日くらいしかなくて、正直厳しいだろうなと思っていたんですけど、そこでもうパパッと決まりました。

個人的には、“もらい事故”みたいなものでしたね(笑)。やるとなれば、自分が大変になるのは目に見えていたので…。高原はSC相模原との契約があったのでまだ選手としてプレーする以上、僕が全部動かないといけません。だから最初、一人で沖縄へ来たんです。

自分で会社は経営していましたけど営業はやったことがなかったので、本当に一からでしたね。一軒一軒チャイムを鳴らして、時に怒られたりもしましたがそういうところには逆に何度も行きました。そのうち気に入ってくれて、お金を出してくれたりと。

僕らは最初から本気で、骨を埋めるつもりで来ていたので気持ちは伝わったのかなと思います。高原は当時持っていたマンションや車などを全部売りましたし、住民票も沖縄に移しました。

そう。それだけ気持ちが入っていたので、テンションも上がって「どうせなら沖縄まで車で行こう!」ということになったんです。

せっかくだから人にも会おうということで、あちこち寄り道しながら2人で九州まで行って、いよいよ鹿児島。ただそこで大雪に見舞われました。

フェリーも動かなくなってしまい、ホテルで数日間運行再開を待っていたんですが、ちょうどその時仕事が入って、僕だけ東京に帰らないといけなくなってしまって。

結果、高原は車と一緒にフェリーに乗って、1人で26時間かけて沖縄へやってきました(笑)。

※すごい話の連続に驚きを隠せない『サカつく』宮崎P。

――高原さんがフェリーで沖縄へ上陸したのは衝撃です。しかも乗ってきた車は、トヨタのヴェルファイア(笑)。

車好きで海外のいい車を何台も乗ってきた彼が、「ヴェルファイアっていいよね」と言っていました(笑)。

今はハイエースに乗っています。なぜハイエースかと言うと、練習機材を全部車に積んで、一番早くグラウンドへ行くからです。

高原は沖縄へ来て本当に変わりました。20年以上前に彼と知り合いマネジメントもしてきましたが、昔はマスコミ嫌いで取材もとにかく受けたがらなかったんです。

当時は周りが近寄りがたい雰囲気だったんですが、今は普通にギャグを言ったりしますからね(笑)。

――なるほど(笑)。クラブを経営する上で一番大変なことって何ですか?

んー、すべてが大変です。でも楽しいですから、大変だとは思っていません。

「営業してスポンサーを獲らないと」といったプレッシャーがあってもそれが嫌なことではないですし、難しいことがあってイライラしたりもしますが、結局好きなことをやっているので苦にはなりません。とにかくゼロから始めたので、何が正解かもまだ分かりません。

唯一言えることは、僕はもう、どこへ行ってもサッカーチームを立ち上げることはできるなと。自分で全部やりましたから。

もちろん失敗もありました。最初チームメンバーを集めるためにセレクションを行うことになり、沖縄はいつでもできるし、まずは内地(本州)でやろうと。

高原が以前所属していたJクラブの人に聞いてみたところ、セレクションにはまずグラウンドが必要。

それで高原が押さえたのが、埼玉スタジアム2002の横にある天然芝のグラウンドでした。日本代表が使うこともある場所で、使用料がとっても高いんです(笑)。

でもよく考えてみてください。当時まだ沖縄県3部なんですよ。僕らは選手が集まるだろうと勝手に思っていたんですが、結果的に来てくれたのは20名足らず。

しかも、47歳の方とか、サッカー未経験者もいて(笑)。そこで3名くらい獲得しましたが、沖縄に戻って慌ててセレクションしたんですよね。

そちらも“沖縄あるある”で、人は集まったんですけど、すごいヘアスタイルをしていたり、パンパンと直管のいい音を響かせながらバイクでやってきたり(笑)。そういった中から選手をそろえて最初のチームを作りました。

※インタビュー中に見せてもらった沖縄SVのロゴ入り野球ボール(非売品)。かっこいい!

ここは“聖地”のような場所

――今回、インタビュー場所として使わせていただいた「沖縄そば まるやす」はどういったお店なんですか?

5年前にこのすぐそばに寮というか事務所を借りたんです。沖縄へ来てすぐの頃ですね。

僕は最初そこに一人でいたので食べるところを探していたら、この店がたまたまあったんです。それで毎日のように来ていたら、ある日看板娘の店員さんに声をかけられました。

サッカーチームを作ることや、高原が来ることなども話したんですが、全然伝わりませんでしたね(笑)。

そのうち高原や他のメンバーも毎日のように来るようになりました。馴染んで来たらそのうち、食べたあとゴロッと寝ちゃうようになって(笑)。メニューにコーヒーはないんですけど、お願いしたら出てくるようにもなったりと。

オーナーの大野さんは明るくて楽しいし、高原やチームのみんなもここが好きで、今もよく来ています。

いつの間にかサポーターの方たちも来るようになりましたし、僕らにとっては“聖地”のような場所です。そばも麺が独特で、ここの店はツルっとしていてのど越しがいいので食べやすいんですよね。

※取材陣もあっという間に馴染んでしまった居心地の良さ。観光客のほぼいない、地元民御用達のお店だ。

この日は店名のついた「まるやすそば」を注文。

自家製の平打麺はのど越しがいい上にコシもあり、とっても美味しかった。これは毎日でもいける!

メニューはこちら。2回目に食べるなら、アーサそば(アオサ)、ゆしどうふそば(高原氏が好きらしい)、そしてじゅーしー(ジューシー)もオススメとのことだ。

202X年に『サカつく』に搭載されるであろうスタグル的な面でも充実の取材となった。

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プレイヤーは自分だけのオリジナルクラブの全権監督となり、クラブを育て、選手をスカウト。そして、育てた選手とともに世界の頂点を目指します。

■公式サイト:https://sakatsuku-rtw.sega.com/
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