欧州の皇帝、個人戦初の頂点へ|卓球・五輪活躍プレイバック-ティモ・ボル編-

写真:リオ五輪でのティモ・ボル/提供:ittfworld

きたる東京五輪で日本のライバルとなり得る海外の選手について、過去の五輪での成績を振り返る五輪活躍プレイバックシリーズ。今回は欧州の皇帝、ティモ・ボル(ドイツ)編だ。

2000年のシドニー五輪で五輪デビューを果たしてから、2016年のリオ五輪まで5大会連続で五輪に出場している。欧州の皇帝として幾度となく世界の頂点に立ってきたボルだが、五輪シングルスで表彰台に上ったことは未だ1度もない。

東京で迎える6回目の五輪で自身初のシングルス表彰台を目指すボルの活躍を振り返る。

五輪デビュー シドニー五輪

シングルス:ベスト16

19歳で挑んだ初の五輪シングルスはベスト16に終わった。グループリーグを突破し、本戦1回戦でも強豪韓国の金擇洙を破って進んだものの、本戦2回戦でフルゲームの末オーストリアのシュラガーに惜しくも敗れ、敗退となった。

本戦1回戦:〇ティモ・ボル 3-1 金擇洙(韓国)
本戦2回戦:ティモ・ボル 2-3 〇シュラガー(オーストリア)

リベンジを果たした アテネ五輪

シングルス:ベスト8

世界ランキング1桁で挑んだ2度目の五輪シングルスでは4回戦で前回の五輪で敗れたシュラガー(オーストリア)と対戦した。シュラガーとの試合をフルゲームの末に制したボルは、続く準々決勝でスウェーデンのワルドナーと激突。試合はワルドナーに軍配があがり、ベスト8で姿を消した。リベンジを果たしたものの、彼にとっては悔しさの残る大会になった。

4回戦:〇ティモ・ボル 4-3 シュラガー(オーストリア)
準々決勝:ティモ・ボル 1-4 〇ワルドナー(スウェーデン)

チームでつかんだ悲願の初メダル 北京五輪

団体:銀

北京五輪からはダブルスに代わり団体戦が開催された。ドミトリ・オフチャロフ、クリスティアン・ズースと組んで戦った団体戦では、銀メダルに輝き自身初の五輪のメダルを手にした。

シングルス:ベスト16

3度目となる五輪シングルスの舞台。団体戦では悲願のメダルを手にしたものの、シングルスではまたもやベスト16での敗退に終わった。4回戦で韓国の呉尚垠に敗れ姿を消した。

4回戦:ティモ・ボル 1-4 〇呉尚垠(韓国)

高い五輪の壁 ロンドン五輪

写真:ロンドン五輪でのティモ・ボル(ドイツ)/撮影:ロイター/アフロ

団体:銅

ドミトリ・オフチャロフ、バスティアン・シュテガーと組んで臨んだ団体戦では銅メダルに輝いた。準決勝の中国戦ではチームとしては敗れたものの、ロンドン五輪シングルス金メダリストの張継科(中国)を破るなどの活躍をし、2大会連続のメダル獲得に貢献した。

シングルス:ベスト16

迎えた4度目の五輪シングルス。これまでも思うような成績が出せなかったボルだが、またもや五輪の高い壁に苦しめられた。4回戦でルーマニアのクリサンにゲームカウント1-4で敗れてロンドン五輪もベスト16のステージで終わった。

4回戦:ティモ・ボル 1-4 〇クリサン(ルーマニア)

襲い掛かる五輪の重圧 リオ五輪

写真:リオ五輪でのドイツチーム/撮影:新華社/アフロ

団体:銅

ロンドン五輪と同じメンバーで臨んだ団体戦では銅メダルに輝き、3大会連続でのメダル獲得となった。準決勝では日本に敗れたものの、3位決定戦の韓国戦で世界最強カットマン朱世赫を3-0のストレートで下すなどの活躍を見せた。

シングルス:ベスト16

35歳のベテランになって迎えた5回目の五輪シングルス。これまで幾度となく苦渋を味わってきたボルだが、またしても五輪の重圧の前に惜しくもベスト16で敗退した。

4回戦:ティモ・ボル 2-4 〇クアドリ・アルナ(ナイジェリア)

東京で悲願のシングルスメダル獲得へ

現在39歳にして世界ランキング10位と世界のトップで戦い続けるティモ・ボル。リオ五輪後の2018年3月には世界ランキング1位に輝いたこともある。

これまでワールドカップやヨーロッパ選手権など数多くの大会を制してきたティモ・ボルが未だ手にしていないオリンピックシングルスでのメダル。東京の舞台で20年越しの悲願の頂点を狙う。

文:ラリーズ編集部

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