安倍首相の会見全文公開! 「特定警戒都道府県」とは?  「緊急事態宣言との違いは?」「わかったのは国民一律10万円だけ」 日本独自の強制力が作動?

編集部撮影

4月16日20時30分頃、安倍首相が会見で「緊急事態宣言」を全国すべての都道府県に発令しました。

あわせて、すでに指定されていた東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都道府県に加えて、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府の計13都道府県を「特定警戒都道府県」に指定しました。

13都道府県以外の新たに「緊急事態宣言」が出された区域の住民は、今まで指定されていた東京都などの様子を参考にして、何とか理解できるかもしれません。

しかし「特定警戒都道府県」の意味することころは、よく分からなかったと思われます。

「特定警戒」とはいったい何を意味するのでしょうか?

「特定警戒」に指定された都道府県の住民の生活はどうなるのでしょうか?

安倍首相が会見で語った言葉を今一度、すべて振り返ってみます。

「本日、諮問委員会からもご賛同いただき、4月7日に宣言した緊急事態措置を実施すべき区域を7都道府県から全都道府県に拡大することといたします。実施期間は、5月6日までに変更はありません。

まず、北海道、茨城県、石川県、愛知県、及び京都府の6都道府県については、現在の対象区域である7都府県と同程度に蔓延が進んでおり、これら以外の県においても、都市部からの人の移動等により、クラスターが各地で発生し、感染拡大の傾向が見られることから、地域の流行を抑制し、特に、ゴールデンウィークにおける人の移動を最小化する観点から、全都道府県を緊急事態措置の対象とすることといたしました。

今後、ゴールデンウィークに向けて、すべての都道府県において、不要不急の帰省や旅行など、都道府県をまたいで人が移動することを蔓延防止の観点から、絶対に避けるよう、住民の方々に促していただくよう、お願いいたします。

また、域内の観光施設等に人が集中する恐れがある時は、施設に対して入場者の制限を求めるなど、適切な対応を取るよう、お願いします。

繰り返しになりますが、この緊急事態を5月6日までに、残りの期間で終えるためには、最低…最低7割、極力8割の接触削減を何としてでも、実現しなければなりません。

国民の皆様には、ご不便をおかけしておりますが、さらなる感染を防止するため、引き続きのご協力を何卒よろしくお願いいたします。

(つづき)今回、緊急事態宣言を全国に拡大することによって、すべての国民の皆様にさらなるご協力をいただくことになります。

緊急経済対策においては、収入が著しく減少し、厳しい状況にあるご家庭に限って、一世帯当たり30万円を給付する措置を予定しておりましたが、この際、これに代わり、さらに給付措置を拡大した処置を講ずべきと考えます。

今回の緊急事態宣言により、外出自粛を始め、様々な行動が制約されることとなる、全国すべての国民の皆様を対象に、一律1人当たり10万円の給付を行う方向で、与党において、再度検討を行っていただくことといたします。

この国難ともいうべき事態を乗り越えるため、政府、地方公共団体、医療関係者、専門家、事業者、そしてすべての国民の皆様、まさに日本全体が一丸となって、取り組んでいくしかありません。

各位にあっては、本日決定した新たな基本的対処方針に基づき、引き続き、対策に全力を挙げてください」

この会見をリアルタイムで見ていた方も多いと思われます。

ネットやSNS上でも様々な感想が流れました。

<結局のところ、今までの自粛生活から、何がどう変わるのかわからなかった>

<緊急事態と特定警戒の違いを教えてほしかった。自粛の気持ちの強弱だけ?>

<わかったのは制限付きの30万円をやめて、制限無しの10万円になったこと>

政府からも、「特定警戒都道府県」で何が変わるかの具体的な説明はありませんでした。

それでも何となく、欧米のような“法的強制力”はなくても、これはもう「自粛」のレベルではないなと…感じ取っている方が多いようです。

<とにかく、外に出るなってことだな>

<命に関わる仕事以外で人と会えない>

経済的な理由など“個々の事情”よりも、感染を断ち切る“公の事情”を優先するべき状態になったと言えるでしょう。

いわば国民同士が、ある意味で“けん制”し合う、日本の「社会的強制力」が作動したのかもしれません。(文◎編集部)

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