“コロナ疲れ”とどう付き合う? 燃え尽きる前の対処法

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月9日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、立命館大学准教授で社会学者の富永京子さんが“コロナ疲れとの付き合い方”について述べました。

◆新型コロナで感情的にも消耗……

日本労働組合総連合会・前会長の古賀伸明氏は、「新型コロナウイルス感染拡大の終息へのシナリオが見えず、長期戦になることも覚悟しなければならない」と主張。また、政府は国民の不安に応える必要があるとし、「疫病や医学だけでなく、より広い分野での専門的知見を踏まえた対応が求められている」と強調しました。

新型コロナ感染の不安に加え、情報が氾濫し何を信じていいのかわからないような怖さなどから、「感情的に消耗されている方が多いと思う」と富永さんは言います。それに対し、社会問題について考える人たちは研究を重ねたり、NGOを結成したりしているそうで、富永さんは1つの研究の知見からキーワードとして「バーンアウト(燃え尽き)」を提示します。

これはケアワークや先生など、対人的な職業でよく見られると思われがちなものの、ジャーナリストや社会運動に関わっている人などもあり得るそう。また、新型コロナの問題は解決の兆しが見えず、長期戦が予想されるため、「自分をケアしながら、政治や社会への持続的な関心を持ち続けることが重要になる」と示唆。

◆"コロナ疲れ”とどう付き合う?

そんなバーンアウトの解決策は容易で、1つは「自分が問題視していたことのなかで、解決されたものを確認すること」。やっていないことが数限りなくあり、そればかり見ていると不満が募ってしまうため、「やったこと、されたことをまず見ていく」と富永さん。

2つ目は、「私的な生活や趣味を"つまらない”"くだらない”と思わないこと」。「みんな苦しいんだからという同調圧力のなかでも趣味を大事にし、たまには贅沢することなども重要」と言います。

そして、「たくさん知る、関わることが正義と思い過ぎないこと」。情報量が多いほどすごいわけではなく、最終的に問題解決に関わろうとしても「全ての問題に関わることはできない」と富永さんは指摘。

さらには、人災や災害、今回の件も含め、自分よりも苦しい人がいても「リラックスする権利がないとか、問題を考え続けなければいけないなんてことはない」と主張。苦しんでいる人を助けるのも大事ですが、自分も傷ついていることを自覚することが重要で、そのためには「言葉にしづらいモヤモヤやストレスを家族や友達、近隣の人と共有していくのが大事」と希求します。

慶応大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純さんは、以前はものすごくストレスがあったものの、あるときを境になくなったそう。それは、「現状維持を諦めようと思った瞬間」。「ずっと現状維持したかった。多くの人がその気持ちや力を働かせてしまうけど、今は良い意味で変化を受け入れて変わっていくしかないと思う」という若新さんは、現状維持を諦めた瞬間に気持ちが明るくなり、前向きな気持ちになったそうです。

ちなみにキャスターの宮瀬茉祐子は、多くの人がポジティブなことを発信したり、"ピンチはチャンス”と捉え新しいことをしたりする人がいるなか、最近は「あえて特別なことはしないで、同じ時間に起きてみるとか、コーヒータイムを決めるなどの小さいこと、リズム感のある生活を心がけている」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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