新型コロナウイルス感染防止にむけた国内外の自動車メーカーの支援活動まとめ

様々な自動車メーカーが支援活動を表明している(フォルクスワーゲン)

伊スーパーカーメーカー2社が、自社工場で医療マスクなどを生産

ランボルギーニ 医療用マスクとメディカルシールドを医療機関へ寄付

まず海外メーカーでは、イタリアからはスーパーカーメーカーであるランボルギーニが生産工場の一部を、医療用マスクとフェイスシールドの生産部門へ転換すると発表。生産したマスクは、新型コロナウイルスのパンデミックと闘うボローニャのマルピーギ総合病院に寄付されます。

さらに、新型コロナウイルスによる非常事態に直面しているイタリア全土の団結と支援の象徴として、ランボルギーニではサンタアガタ・ボロネーゼの本社ビルを夕暮れにイタリア国旗の色にライトアップしています。

様々な自動車メーカーが支援活動を表明している(フェラーリ)
ランボルギーニ 医療用マスクとメディカルシールドを医療機関へ寄付

また、同じくイタリアのスーパーカーメーカーのフェラーリは、同社のマラネロ工場にて防護マスク用の呼吸器バルブの生産を開始しました。バルブにはフェラーリのエンブレム、「跳ね馬」があしらわれています。

独VWやメルセデス・ベンツも3Dプリンターを活用し支援活動開始

様々な自動車メーカーが支援活動を表明している(フォルクスワーゲン)

ドイツメーカーでは、アウディやポルシェ、国外では先程のランボルギーニも含めベントレーやブガッティなどのフォルクスワーゲン傘下のメーカーが、3Dプリンターによるフェイスシールドホルダーの生産などをそれぞれ開始。フォルクスワーゲンも同様に動き出し、完成したパーツはハンブルクからマドリードを経由しスペインに寄贈するとしています。

他にも、メルセデス・ベンツでも社内の3Dプリンターの技術を提供し、新型コロナウイルス感染者のための医療器具のパーツを製造すると発表しています。

米GMやフォード、さらにはF1チームも支援活動スタート

様々な自動車メーカーが支援活動を表明している(GM)
様々な自動車メーカーが支援活動を表明している(Ford)

また、アメリカではGMやフォードが人工呼吸器やマスクの生産のために工場の施設を使用することを発表しています。

これ以外にも、レッドブル・ホンダやメルセデス、マクラーレンなどのイギリスを拠点とする複数のF1チームなども様々な組織と協力して、医療機器の製造・支援を進めています。

このように、海外メーカーは3月中旬から今月にかけ、軒並み支援活動を開始しました。

日本国内では自動車工業4団体が大々的に声明を表明

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた、自動車工業4団体によるメッセージ|日本自動車工業会会長 豊田章男スピーチ[2020年04月10日]より

一方、日本ではというと、日本のものづくりを支える自動車工業4団体(日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会)による声明が先日4月10日に発表されました。代表してスピーチを読み上げたのは、トヨタ自動車社長で自工会会長の豊田 章男氏。

その内容は、「物資不足となっている医療現場のサポート」、「自動車産業の経営危機対策としてファンドの立ち上げ」「日本の優れた人材や技術を失わないようしたい」という3点でした。

日本の基幹産業である自動車産業をしっかり守りつつ、直近は医療を中心にオールジャパンで日本のバックアップをしていくという意思表明に、大いに心強い思いをしました。

国産自動車メーカーでは、トヨタが先陣を切る

トヨタ

また、自動車メーカー単位での動向をうかがうと、トヨタグループが医療用フェイスシールド(防護マスク)生産や、医療機器メーカーの生産性向上への協力等を含めた医療現場および医療用品に対する支援をいち早く発表しました。

ホンダが提供する感染者 搬送用仕立て車
ホンダが提供する感染者 搬送用仕立て車

次いでホンダもフェイスシールドや感染者搬送車両の生産を発表。感染者を搬送する車両は、運転席と後部座席の間に仕切りを設置するほか、エアコンによる外気の導入と後部座席の排気で前後席空間に圧力差を発生させ、飛沫感染を抑制するというもの。感染者搬送車両の生産はベース車両のオデッセイやステップワゴンを生産する埼玉製作所狭山工場で行われ、東京・港区や渋谷区に納車された後、各自治体にも納車予定となっています。

トヨタ、ホンダに続き、直近では日産も支援を発表。各事業所で保有する3Dプリンターを活用して医療用フェイスシールドの生産を開始するとしています。

皆で一丸となって

まだまだ世界各地で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。そんな中でも闘いを続ける医療従事者の方には深謝申し上げると共に、一刻も早い事態収束を願いながら、どんな些細なことでもそれぞれが今できることを最大限に努め、皆で一丸となってこの難局を乗り切りましょう!

[筆者:MOTA編集部]

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